Top > スパ・フランコルシャン

概要 Edit

ベルギーのリエージュ州にある「スパ」及び隣町の「フランコルシャン」にまたがってコースが設置されている巨大なサーキットである。
正式名称は「シルキュイ・ド・スパ=フランコルシャン(Circuit de Spa-Francorchamps)」。

  • F1ベルギーGPやスパ24時間レースが開催される事で有名。
  • 高低差104mという激しいアップダウンの間に難易度の高い高速コーナーが連続しており、コースに対し高い評価を与えるドライバーは多い。
  • コースが山の中にあるため、天候が変わりやすく、尚且つ一周の距離が長いため雨の降っていないところ、降っているところがコース中に点在することもある。
    その特殊な天候から、スパ・ウェザーとも呼ばれ、数多くのドラマを演出してきた(2008年F1ベルギーGPでのキミ・ライコネン VS ルイス・ハミルトンなど)。

コース攻略 Edit

スパフランコルシャン・サーキット Edit

Spa.jpg1.メインストレート
2.La Source
3.右コーナー
4.Eau Rouge
5.Radillon
6.Kemmel Straight
7.Las Combes
8.Malmedy
9.Rivage
10.左コーナー
11.Pouhon
12.Les Fagnes
13.Campus
14.Stavelot
15.Courbe Paul Frere
16.Blanchimont
17.Blanchimont
18.Chicane
コース情報
分類リアルサーキット
所在国ベルギー
コース長7004m
ストレート長751.8m
高低差104m
コーナー数21
ピットあり
天候雨天あり
温度 --℃
時間変化なし
時刻 ---
備考---
  • 全般
    距離の割にはコーナー数が少なく、そのほとんどがシンプルな形状のため、コースを覚えてライン取りの見当をつけるのは比較的簡単。
    しかし、長い・広い・高速な連続コーナーばかりのこのコースは少しの操作のズレが大きなロスを生むためタイムを詰めようとすると途端に難しくなる。
    数少ない低速コーナーも直後にはストレートが待ち構えており、より一層難易度を上げている。
    イン側の縁石は高さがあったりポールが立っていたりするものが多いため、無理に使わなくてもよい。
  • La Source(ラ・スルス)(2)
    スタート直後の鋭角右ヘアピンで、よく接触や渋滞が起こる場所。無理にインを取ろうとすると立ち上がりで大きく膨らむので、前の車の動きを見て攻略。
    先頭ならその先にあるアウト側の縁石を狙う。コースにラバーがかなり乗っているのでライン取りは楽。
    しかし、集団に埋もれている場合はそれよりも縁石を乗り上げるくらいに外に膨らませると、接触事故や、それに伴うスピンなどからかわしやすくなることがある。
  • 右コーナー(3)
    観客席がある辺りの緩い右コーナーで、下り勾配のため速度が乗りやすい。
    前のラ・スルスとは違って特に意識して走るところではないが、この先には有名セクション「オー・ルージュ」が待ち構えている。
  • Eau Rouge(オー・ルージュ)(4)
    小さな左、右と続くコーナーで、ここで下り勾配から上りへ変わる。
    ここを走るドライバーが最も神経を使う場所としても知られ(詳細は下記)、ラディオンがまるで壁のように見えることから、ここの攻略の上手さがスパで如何に早く走ることが出来るか決まるとまで言われる。
    その形状からは想像もつかないほど車体が不安定になりやすく、また速く攻略できるラインはきわめて狭いため、真剣勝負のレース時は特に危険。
    ここで接触せずに他車を追い越すことは不可能に近いので、競り合ったまま進入しそうなときは無理をせず、分が悪いと感じたら進入する前に譲ったほうがいい。
    普通のサーキットと同じ感覚で車高を下げると、強烈なアップダウンでサスペンションが底付きして挙動を乱しやすいので要注意。
    昔こそ難所だったが、今のフォーミュラカーではその強烈なダウンフォースによって、ほぼ全開で抜けるイージーなコーナーとなっている。
    しかし車重やダウンフォースで劣るGTカーレースでは、今なお本コース屈指の高難度コーナーとされている。
  • Radillon(ラディオン)(5)
    オー・ルージュから続く左コーナー。上ったとたんに視界が開け、道がなくなったような感覚になる。
    オー・ルージュを高速で抜けてきた場合、ここで荷重が抜けやすい。手前の縁石をいっぱいに踏み、出口にある外側の縁石を目指すようなラインを描くのが理想。
    ここで焦るとストレートで大きく離されてしまうので慎重に。
  • Kemmel Straight(ケメル・ストレート)(6)
    スパ・フランコシャンで最長のストレートであり全開区間。上り坂となっているためか長さの割には意外と速度は伸びない。
    バトルの際はここでの駆け引きが重要になってくる。
  • Las Combes(レ・コーム)(7)
    ラディオンから続く上り勾配はここまで。
    右、左と低速シケインになる為、ブレーキが遅れるとそのままウォールに突き刺さることになる。
    左にあるシケインまでの距離を示す標識や左側にある縁石を目安にブレーキングポイントを見極めていく。
    タイムを削るならイン側の縁石にタイヤを乗せるのは必須だが、深く乗り上げるとバランスを崩して大きなタイムロスに繋がるため、見た目以上に攻略が難しい。
    ライン取りはアウト・イン・イン・ミドル。
    左コーナーの立ち上がりでアウトに膨らむと次のマルメディで確実にもたつくので、ステアリングを戻さずに左旋回を続けてマルメディの進入に繋げよう。
  • Malmedy(マルメディ)(8)
    シケイン直後の、比較的浅めの右コーナー。外側が砂地なので、レ・コーム脱出でアクセルを踏みすぎると突っ込むことになる。
    タイムを刻みたいがためにアクセルを開けたい気持ちもわかるが、出来ることならレ・コームと併せてひとつのセクションとして走ったほうが、慣れないうちは楽かもしれない。
  • Rivage(リバージュ)(9)
    旋回径が180度以上あるヘアピン。ここは定石どおりにアウトインアウトで攻略したいが、下り勾配のせいで速度が出やすいのでアンダーステア対策も必要。
    特にFF車は荷重が掛かり過ぎるので注意。
  • 左コーナー(10)
    下り勾配で続くコーナー。この先から更に勾配が激しくなる。
    リバージュの脱出で気を抜かず、すぐに走行ラインを右に寄せてアウトから進入。
    ランオフエリアが狭いので、速度の乗りすぎに注意。コース上にあるラバーを基本ラインとして意識するといいだろう。
  • Pouhon(プーオン)(11)
    Rがほぼ等しい2つの高速左コーナーが連続するセクション。
    勾配がきつく、速度が乗ったまま攻略しようとすると間違いなくコースアウトするので、進入手前の右側にある標識を目安にブレーキングする。
    アウト側の広いランオフエリアは舗装されているが、レースの設定によっては大幅なタイムロスになる上、ショートカットペナルティーが科されることもあるので要注意。
    ライン取りはアウト・イン・アウト・イン・アウトで、クリッピングポイントが2ヶ所存在する。
    3ヶ所の「アウト」では縁石を使う事が出来るが、最初の縁石だけはクルマの制動距離や安定性によって難易度が大きく変わるので、自信が無い場合は縁石に乗らずに進入する方が無難。
    イン側の縁石はどちらも高さがあり、乗り上げすぎるとバランスを崩してアウトに膨らみやすいのでタイヤをかすめる程度で。
    特に1つ目の縁石は乗ったら即コースアウトなので決して乗らないように。
  • Les Fagnes(レ・ファーニュ)(12)
    右、左と続くカーブだが、見た目以上に回り込んで見えるのでラインを見失うことがある。
    前半・後半ともにクリップを奥に取るとクリアしやすい。
    内側の縁石は踏めるが、深く踏むと車体バランスを崩しやすいので注意。タイヤが軽く乗る程度でも十分。
  • Campus(キャンパス)(13)
    右カーブ。外の砂地に突っ込まないようにアンダーステアに気をつけつつ、アウトインアウトで抜ける。
  • Stavelot(スタブロ)(14)
    緩やかな高速右コーナー。この先にある本コース最大の高速左コーナに続く加速区間と捉える。
    コース幅をいっぱいに使って、ステアリングの舵角を最小限に抑えるライン取りが理想。
  • Courbe Paul Frere(ポール・フレール)(15)
    スタブロ同様に直線と考えたほうがいい。前を走る車と距離を詰める好機でもあるので、隙があれば狙ってみるのもいい。
  • Blanchimont(ブランシモン)(16・17)
    本コース最大の超高速左コーナー。コーナーの出口が土手や落石防止用フェンスで隠れた裏にあるブラインドコーナーである為、ここでRを読み違えてアクセルを抜いてしまうと一気に前走車に置いて行かれてしまう。また、ランオフエリアは広いがバンプがあり、少しでも挙動を乱すとコントロール不能となるので注意(特に後輪駆動車)。
    オールージュやケメルストレートと共に、如何に強気で抜けられるか、ドライバーの腕が試される場所でもある。
  • Bus Stop Chicane(バス ストップ・シケイン)(18)
    切り込み角度がきつい非常に小さなシケイン。全開で走ってきた車がここで一気に減速するので、最後のオーバーテイクポイントと言える。
    上り勾配でカントもあり道幅も狭く、見た目以上に困難。
    ブランシモンから全開で来るため、ブレーキが少し遅れると大きなタイムロスになる。
    また、右左と折り返す途中にピットレーン進入口があるので見分けがつきにくい。他車に釣られて走って見落としてしまい、もう一周する羽目になったという事もあるので注意。

開催される主なレース Edit

現実で開催される主なレース Edit

  • F1 ベルギーGP
  • スパ24時間レース
  • スパ1000km
  • FIA世界耐久選手権(WEC)スパ・フランコルシャン6時間レース

小ネタ Edit

  • スパ24時間耐久レースはル・マン24時間耐久レース、デイトナ24時間耐久レースと並び"世界3大耐久レース"の一つに数えられる。
  • 1コーナー後の直線区間にもピットロードが存在するが、改修前まで使われていたスターティンググリッドやピットロードが残されている…という訳では無く、整備され稼動可能。
    というのもGT3マシンで行われるスパ24h等、参加台数が多いレースではこちらのピットボックスまで使われる事があるため。
  • レースが開催されるようになった当時は全長14km以上ある長い公道コースだったが、スピードが出過ぎるために開催を中止しコースを改修、現在のコースの原型は1978年に造られた。
  • サーキットはレース専用の部分(Les Combes - Stavelot間)と公道(Stavelot - Les Combes間)が混在していたが、常にレースが開催できるように公道部分にバイパスが作られ、現在のスパは完全なレース専用のクローズドサーキットである。
  • 高難度コースということもあり、少なからず悲劇の舞台にもなっている。
    1985年にオー・ルージュで起きたステファン・ベロフの大事故は世界中に衝撃をあたえた。



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Last-modified: Wed, 08 Jul 2020 12:14:37 JST (1380d)