• 総排気量:3799cc
  • 最高出力:480ps/6400rpm
  • 最大トルク:60.00kgfm/3200-5200rpm
  • 駆動形式:4WD (標準前後トルク配分=30:70)
  • 全長:4655mm
  • 全幅:1895mm
  • 全高:1370mm
  • 車両重量:1740kg
  • 重量バランス:52対48
  • 価格:Cr.7,770,000
  • Lv:11
  • PP:529
  • 備考:トランスミッションは6速
  • 備考:レーシングチタンマフラーなどを装着すると、マフラーの位置が変わる
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  • 2001年東京モーターショーでコンセプトが発表、05年のプロトを経て、07年に発表・発売された。
    • 公式名称は NISSAN GT-R であり報道ではこちらが使われるが、ネット上の雑談などではこれまでのスカイラインGT-Rと同じように R35 GT-R と、型式込みや型式だけで記されることが多い。
  • 2001年東京モーターショーでコンセプトが発表。05年のプロトを経て、07年に発表・発売された。
    開発コンセプトは『マルチパフォーマンス・スーパーカー』。誰でもどこでも気軽にスーパーカーを楽しめることをテーマとしている。

    スカイラインの延長線上にあった従来モデルと異なり、GT-R専用に開発されたプレミアム・ミッドシップパッケージを採用。

    重量と重力を走りに活かす事を目標に考えられており、「重力とはエネルギーである」という独創的な設計思想に基づく。
  • 車名から「スカイライン」が消えたモデルとなった。
  • 車重1740kgは、サーキットや公道、悪天候時の路面や雪道、悪路等での高いグリップ力の確保による、安定性向上の為の最適重量である。
    無論運動性能だけを見れば軽量化した方が良いが、その反面相応のテクニックを持ったドライバーでないと逆に曲がらなくなってしまう。

    あえて重くする事で、誰でもどこでもパフォーマンスを発揮できる車両に仕上げている。
  • 開発コンセプトは『マルチパフォーマンス・スーパーカー』。誰でもどこでも気軽にスーパーカーを楽しめることをテーマとしている。
  • 重量配分が理想値である50:50ではなく52:48なのも、
    「アクセルを踏んだ時に50:50になるのが理想*1

    「ブレーキング時に若干前のめりになる方が、荷重の掛りが分かりやすい」という独特の思想によるものである。
  • GT-R専用に製作されたプレミアム・ミッドシップパッケージを採用。重量と重力を走りに活かす事を目標に考えられたプレミアム・ミッドシップパッケージは「重力とはエネルギーである」という独創的な設計思想に基づいている。
    • 設計順序は、まずリヤタイヤのグリップ力を決定し、次にフロントタイヤのグリップ力、その次にエンジンの重量と重心位置、最後にエンジンの仕様が決まるという、エンジンの性能より4輪のグリップを重視して製作された。
      とはいえエンジンパフォーマンスが軽視されている訳ではなく、GT-R専用に製作されたVR38DETT型V6ツインターボで最高出力は480ps。1.7tの車体を進めるため、トルク重視であるとはいえこのパワーを確保している。
  • 同じようにタイヤサイズも例を見ないサイズだが、
    これも「幅を広げたタイヤによるグリップは一瞬で抜けるが、円周方向の長さを増したタイヤによるグリップは抜けにくい」という独特の判断から採用されている。

    実際開発当時のSUPER GTではタイヤの扁平率や(タイヤ自体の剛性が落ちるために、ダイレクト感が失われる)、

    フェンダーの形状を犠牲にしてでも大径のタイヤを採用する動きがあった。
  • 車重1740kgと聞くと「重過ぎる」と思われるが、単に重くしているのではなく、サーキットや公道、悪天候時の路面や雪道、悪路などでの高いグリップ力の確保による安定性向上の為の最適重量として1740kgとなった。もちろん運動性能だけであれば軽量化したほうが良いが(後述のFIA-GT3仕様はレース専用ということもあり、1350kgまでダイエットされている)、軽くしていくとドライビングテクニックで、荷重をきっちりと配分出来ないと曲がらない車になってしまう。あえて重くすることで、誰でもどこでもパフォーマンスを発揮出来る車に仕上げている。
  • TMは6速DCTで、重量配分の適正化のためリアデフと一体化。徹底的に偏平化させ、重心位置は後車軸よりも低い位置にある。
    独立型トランスアクスル式のため、エンジンとミッション、トランスファーとフロントデフを繋ぐプロペラシャフト2本を分けて搭載し、互いに狂いや振動の無い設計としている。
  • 重量配分が52:48と、一般的に高性能と言われる50:50ではなく若干前寄りなのも「アクセルを踏んだ時に50:50になるのが理想」「ブレーキを踏んだときに若干前のめりになる方が、荷重の掛りが分かりやすい」という独特の思想から。このコンセプトはV35の時からの継続だ。
  • 唯一の弱点が車重からくるブレーキ周り。
    大径ドリルドローター+フロント6ポット、リア4ポットのブレンボ製ブレーキ等、メーカー側はニュルを何周してもへこたれないブレーキを開発したというが、富士を3周もすると制動力が落ちてしまうという。

    これは細かいブレーキングが続くニュル北に対し、高速域からのフルブレーキが多い富士というレイアウトの違いも原因のひとつ。

    方向性の違いと言えばそれまでではあるが、宣伝から言えば、結果的には過大広告となり批評の対象となってしまう。
  • トランスミッションは6速DCTで、重量配分の適正化のためリヤデフと一体化。トランスミッションは徹底的に偏平化させ、重心位置は後車軸よりも低い位置にある。独立型トランスアクスル式のため、エンジンとミッション、トランスファーとフロントデフをつなぐプロペラシャフト2本を分けて搭載し、互いに狂いや振動の無い設計となっている。
  • 日本国内では類を見ない高性能車であるため、メーカー保証の条件が厳格に決められている。
    メーカーが定める部品*2以外の使用、ハイパフォーマンスセンター以外で整備を行うと、純正部品に戻すなど条件を満たさない限りメーカー保証が受けられない。自分の好みに改造したいのであればメーカー保証は諦めることになる。

    構造部品だけでなく、タイヤ、オイル等の基本的なパーツも対象で、その範囲は多岐に渡る。余談だが一箇所を変更すると全部の保証が無くなるのではなく、それが影響を及ぼす範囲のみ保証が無くなる。実際に一部のライトをLEDに変えた事により、灯火類の保証は無くなったが、ドアモールの不具合が起こってハイパフォーマンスセンターに持ち込んだ所、製造時の組み付けミスと判断されて無料修理となった例が報告されている。

    また、ナビゲーションと連動してサーキット内でのみスピードリミッターをカットできるが、使うと保証が一時的に無くなる。

    ECUにリミッターカットの履歴が記録される為、使用履歴は整備の際すぐに判明するようになっている。

    サーキット走行を終えてハイパフォーマンスセンターに持ち込み、所定の整備を行えば、また保証対象に復帰できる。
  • タイヤサイズが今までにないサイズなのも理由があり、ばね下重量の軽減よりも、径を増やすことにより円周方向の接地面積を増大させた方がいいという考えから。おかげで今までのハイグリップタイヤが軒並み装着不能になってしまったが、純正タイヤがそれに匹敵するグリップを持っている。
  • 本車の開発にはグランツーリスモの制作元であるポリフォニー・デジタルも参加し、マルチファンクションディスプレイの画面デザインを担当した。
    ゲーム内でも機能しており、ターボ加給圧・Gメーター・ステアリングの切れ角が表示される。
  • 唯一の弱点が車重からくるブレーキ周り。大径ドリルドローター+フロント6ポット、リア4ポットのブレンボ製ブレーキ等、メーカー側はニュルブルクリンク 北コースを何周してもへこたれないブレーキを開発したというが、ニュル北は実はブレーキ周りの負担が小さく、富士スピードウェイを3周もすると制動力が落ちてしまう。
  • 2013年3月、開発責任者だった水野和敏氏が日産自動車を退社し、プロジェクトチームも解散した。
    後を引き継いだのは田沼謹一氏と、過去にR34 GT-Rの開発責任者であった田村宏志氏が就任した。
  • 本車は「特別な車」であるため、メーカー保証の条件が厳格に決められ、メーカーが定める部品以外の使用、ハイパフォーマンスセンター以外で整備を行うと、メーカー保証が受けられない。タイヤ、オイル等も対象で、専用ランフラットタイヤに交換する際も使用したタイヤを切断して新しいタイヤに交換、空気圧変化を抑える為に窒素ガスを封入する。
    • また、国土交通省から違法改造防止策を求められていた。
  • 年次改良も抜かりなく、2010年モデルでは最高出力を530PSに上げ、11年モデルではカラーバリエーションの再編と外装の改良、内装をカスタマイズできる「エゴイスト」が誕生した。12年モデルでは左右非対称サスセッティングを導入し、現行の13年モデルはロールセンターの引き下げやボディ剛性の向上、エンジンレスポンスの改善が行われ、0〜100km/hは2.7秒。また、最新モデルが発売されると同時に旧年式となるGT-Rオーナー向けに、最新モデルで採用された部品に置き換えてGT-Rの進化を愉しめるバージョンアップキットが販売されている。
  • 写真の Ultimate Metal Silver (4M) は特別塗装色の一つで、塗装費だけで約32万円。
    11年モデルへのマイナーチェンジでカラーバリエーションの再編が行われた際にも、他の2色と共に引き継がれた。
  • 本車の開発には、グランツーリスモシリーズを企画・製作・販売してきたポリフォニー・デジタルが参加し、マルチファンクションディスプレイの画面デザインを担当した。GT5内でも機能しており、ターボ加給圧・Gメーター・ステアリングの切れ角が表示される。
  • 写真の Ultimate Metal Silver (4M) は特別塗装色の一つで、塗装費だけで約32万円。11年モデルへのマイナーチェンジでカラーバリエーションの再編が行われた際にも、他の2色と共に引き継がれた。
  • 本作グランツーリスモ5の序章にあたる「グランツーリスモ5プロローグ」のパッケージを飾った車両である。
  • グランツーリスモ生みの親である山内一典氏が本車を所有している。
  • 余談
  • ドイツのニュルブルクリンクには、GT-Rの消防車が配置されている。世界一難しく、事故や火災が多い超ロングコースにおいて迅速に出動できるために、GT-Rの開発で本コースにお世話になった欧州日産が寄贈している。
    車両重量は増加したが「8分で周回可能」の性能に加え、50Lの水タンクや全長20mのホースなどを装備しており「世界最速の消防車」としてギネス世界記録にも認定された。画像
  • 2008年度よりSUPER GTのセーフティーカーを本車が務めており、5年経過した現在も活躍している。
  • 2018年06月15日より、栃木県警察がR35GT-Rをパトロールカーとして導入した。
  • 本車をベースにしたレース車両としてFIA-GT1仕様の「GT-R GT1」、FIA-GT3仕様の「GT-R NISMO GT3」、SUPERGT GT500クラス仕様の「GT-R GT500」(2014年からはGT-R NISMO GT500に名称変更)」市販車の改造車両「GT-Rクラブトラックエディション」、NISMOが制作した「NISMO GT-R RC」(現在は生産終了)がある。
    • FIA-GT仕様はレギュレーション関係でFR化されている。また、GT500仕様もFRである。
    • 日本ではGT3仕様がSUPER GTのGT300クラスとスーパー耐久で活躍中。優勝もしている。
      • ちなみに、2013年にはマシンをGT-R NISMO GT3に変更するチームが相次ぎ、最終的に6台のGT-R NISMO GT3がGT300クラスに参戦することとなった。うち1台は12年仕様で参戦。どうやら部品のデリバリーなどが国内産ということもあり、他のGT3車両より迅速というレベルを超えていて、たとえスペアパーツを持たずにサーキットに行ってクラッシュしても、ニスモのサービストラックに行けばその場で買えるというサービスの厚さに利点がある模様。
  • 2015年にレクサスRC FにバトンタッチされるまでSUPER GTのセーフティーカーを務めていた。
  • ニュルブルクリンク24時間レースには山内氏が2011年から参戦している。
  • ニュルブルクリンク24時間レースには山内氏がGT-Rで2011年から参戦している。
    • 2011年はシュルツモータースポーツが市販車を改造したマシンで、12年にはチーム・GTアカデミーがクラブトラックエディションに小改造を施したマシンで参戦し、それぞれSP8Tクラス優勝。
    • 2013年はシュルツモータースポーツがNISMO GT3でSP9クラスに参戦。山内氏に加え、SUPER GTなど活躍中のミハエル・クルム、トビアス・シュルツ、ミハエル・シュルツ兄弟が乗り込んだ。予選では一時的だがトップに立ったが決勝レースでは度重なるトラブルにより最終的に総合134位でゴールした。
  • 派生モデルの解説
  • 日産を象徴するフラッグシップスポーツにして「レース参戦が宿命」とされるGT-Rだけあって、数多くのレース車両が存在する。
    個別記事がある場合はリンク先を参照のこと。
  • MOTUL NISMO GT-R
    2008年の十勝24時間レースに参戦した、GT-Rをベースとしたレーシングカー。

    エアロパーツ等もほぼノーマルのままで後述するクラブトラックエディションを含めても一番量産GT-Rに近いといえる車両。というのも、本車はNISMOがGT-Rのアフターパーツ開発の為に製作したレーシングカーであった為であり、後にそのパーツも一般ユーザーに向けて販売されている。
  • GT-R GT1
    GT-RをベースとしたFIA-GT1仕様のレーシングカー。モノコックは市販車の物を使っているが、エンジンは

    ノーマルのVR38DETTからピックアップトラック等に搭載されている大排気量自然吸気エンジンのVK56DEへと換装された。これはFIA-GT1がワークス参戦を禁止し、プライベーター主体のカテゴリーであった為、整備性の高いNAエンジンを使うべきだという考えからである。また、駆動方式は4WD禁止の規則に合わせFRとされている。

    2009年にスポット参戦。2010年と2011年にフル参戦し、2011年にはピーター・ダンブレック/ミハエル・クルムの駆るJRM Racing 23号車がドライバーズタイトルを獲得した。
  • NISMO GT-R RC
    数少ない4WDのGT-Rのレーシングカー。スーパー耐久ST-1クラスを始めとしたプロダクションレース仕様として2010年から実戦テストを開始。2011年には市販開始されたが、1980万円という価格は当時流行の兆しを見せていたFIA-GT3車両より少し安いという価格であったのに対し、性能はFIA-GT3よりも大幅に劣るという事もあって、一台もカスタマー販売される事無く生産終了となった。
  • GT-Rクラブトラックエディション
    サーキット走行に特化したR35GT-R。2011年の市販型R35GT-Rの大規模改良に合わせ追加された。

    仕様としては、市販型にサーキット走行に必要なロールケージ等を装着したといった物であり、本車を購入するとプロのレーシングドライバーからのコーチングを受けられるといった特典が存在した。
  • GT-R NISMO GT3
    GT-Rをベースとし、世界中で流行するFIA-GT3規定に合わせ製作されたマシン。

    GT-R GT1と同じく駆動方式はFRとされているものの、エンジンは市販車同様V6ツインターボのVR38DETTを搭載している。2011年はテストに集中。2012年から各カテゴリーへの正式参戦を開始した。

    日本国内ではSUPER GT GT300クラスとスーパー耐久ST-Xクラスへ参戦し、幾度となく王座を獲得している。また、2015年にはバサースト12時間で優勝、ブランパン耐久シリーズではタイトルを獲得した。

    ちなみに、2013年にはマシンをGT-R NISMO GT3に変更するチームが相次ぎ、最終的に6台のGT-R NISMO GT3がGT300クラスに参戦することとなった。うち1台は12年仕様で参戦。どうやら部品のデリバリーなどが国内産ということもあり、他のGT3車両より迅速というレベルを超えていて、たとえスペアパーツを持たずにサーキットに行ってクラッシュしても、ニスモのサービストラックに行けばその場で買えるというサービスの厚さに利点がある模様。
  • GT-R NISMO GT500
    2014年以降のGT500クラスに参戦するGT-RのGT500マシンの正式名称。ドイツツーリングカー選手権、DTMとの車両規則統合の影響で、先代にあたるGT-R GT500から一転。非常に市販のR35に近いルックスを持つマシンとなった。エンジンは2L直列4気筒直噴ターボエンジンNR20Aを搭載し、2014年と2015年にNISMOが連覇を成し遂げている。なお2016年まではGT-R NISMOの14年モデルをベースとしていたが、2017年以降は17年モデルをベースとしている。


  • カラーバリエーション:Ultimate Metal Silver(4M),White Pearl(3P),Dark Metal Gray(M),Titanium Gray(TM),Super Black,Vibrant Red(C)


*1 これは本車が4WDだからという訳ではなく、FRであるV35の時からこの配分が続いている
*2 日産純正部品、もしくは日産と同品質と認定しているNISMO製品。

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