分類性能
メーカー/国籍フェラーリ/イタリア総排気量5998cc全長4,702mm
カテゴリー1N700最高出力668PS/8,000rpm全幅2,036mm
カテゴリー2ノーマルカー/スーパーカー最大トルク67.0kgfm/5,500rpm全高1,147mm
内装あり駆動形式MR車両重量1,255kg
年式2002吸気形式NATM6速
入手方法セッティング他
ディーラーCr.100,000,000制限ダート走行不可
その他---特記デフォルトでダウンフォースが存在(0:50固定)
アクティブエアロシステム搭載
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  • ↓アクティブエアロシステム:110km/h〜220km/hで走行時に作動する
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  • 原寸大のモックアップとして東京都現代美術館で初めて披露されたプロトタイプFXを経て、2002年フェラーリが創業されて55年、創始者の名を取られたこの車は、レースで培って来た技術を結集して製造された。
    デビュー以前には、F60という仮称が各メディアで使用されたが、車名が正式発表となった際には驚きの声が上がった。

    後にF60という名称は2009年のF1マシンに用いられることになる(こちらはF1参戦60周年を意味し、直接的な関係はない)。
  • 2002年4月に公開されたプロトタイプ「FX」を経て、同年9月に発表されたフェラーリ社のスーパースポーツカー。
    創業55周年を記念して作られた車両であり、車名の由来は見ての通り、創業者「エンツォ フェラーリ」である。

    F40F50に続く21世紀初の記念碑的な意味合いもあり、それまでのレースで培った技術を結集して作られた。
  • 実質の先代にあたるF50のシャシーはレーシングカーとしては10年先まで見据えた非常に良く出来た物だったのだが、エンジンの性能がマクラーレン F1に大きく劣り、ロードカーとしての使い勝手が悪く、マクラーレンを基準に見るとF50の評価は相対的に低い物になっていた。
    さらにレーシングカーとして見た場合は非常に良く出来たシャシーであったが、ロードカーとしてはストレスマウント構造の設計が裏目に出て、車内の静粛性が低く、振動も激しかった。
    • そこで、F50同様のカーボンモノコックシャシーを基本としつつ、F50で用いられたストレスマウント構造を採用せず、運転席後方にフレームを張り巡らせてエンジンをマウントする構造に改めた。
      これにより、ストレスメンバーとしてエンジンを用いることがなくなり、頑丈な鎮鉄ブロックのエンジンを生産する必要もなく、フェラーリのFR車両に用いられるアルミブロックのエンジンを流用することが可能になり、599などと共通部分がある6.0L 65度V12自然吸気エンジンを搭載した。

      実用域のトルク向上の他、アルミブロックエンジンのためかなりの軽量化もできたとのこと。
    • ミッションもF1譲りのパドルシフトを導入した6速セミATに改められ、トラクションコントロールやABSも搭載し、イージードライブとは行かないものの、F50の短所だった旧世代のレーシングカーのような重いドライブフィールが改善された。
    • 以上のように、F50のマイナス要素を徹底的に改善するという方向で車両が開発されており、エアコンなども当たり前に装備されるなどドライバーの負担を減らす装備を搭載し、ロードカーとしての使い勝手を向上させている。
  • そのデザイン開発は、当時ピニンファリーナに在籍していた日本人カーデザイナー、奥山清行氏が手掛けている。
    フェラーリ伝統の丸形テールランプを削り出したかのようなテールエンドに、大きく張り出した前後フェンダー。

    そしてフォーミュラカーを多分に意識したフロントノーズ等、スーパーカーとして申し分のない迫力あるデザインを持つ。

    勿論、単に迫力のあるデザインを追求しただけでなく、空力特性についても十分に煮詰められている。
  • 当時ピニンファリーナに在籍していた日本人カーデザイナー奥山清行氏によるデザインは、F1を意識したフロントノーズ、フェラーリ伝統の丸形テールランプを削り出したかのようなテールエンド、大きく張り出した前後フェンダーなど大胆で、見るからにスーパーカー、レーシングカーを思わせるデザインになっている。
    • ちなみにF1風フロントデザインが採用された背景には当時のフェラーリF1の圧倒的好成績があったからと言われている。現実に普通なフロントまわりのデザインも制作されており、F1の成績次第では別デザインのフロント周りになっていたとされる。
  • 基本構成は「大出力エンジンをミッドシップにマウントする」という、F40・F50の伝統を引き継いでいる。
    この事からも分かる通り、本車はF50の事実上の後継機であり、正式名の公開前は「F60」と呼ばれていた。

    車両細部にもF50からの進化点が多数あり、ロードカーとしてちぐはぐだったF50の徹底改善が見て取れる。
  • 非常に長いフロントオーバーハングや幅広なリア周りなど、市販ロードカーとしてみればネガティブな要素も少なからず存在しているが、それでも一級品の性能を持ち合わせているあたりはフェラーリのフラッグシップの面目躍如といったところ。
    • レーシングドライバーの中谷明彦によると、公道走行用のタイヤ(本車両は専用開発のランフラットタイヤ)ではどう足掻いても弱アンダーステアにしかならないようセッティングされていたため、スリックタイヤを履いた状態じゃないと本車両の真のポテンシャルは発揮できないとのことである。
  • パワートレインはエンツォ専用に開発された、アルミブロックの6.0リッターV12DOHCエンジンである。
    最高出力660PS・トルク67.0kgfmという高いパフォーマンスを誇り、その最高速度は350km/hをマークした。

    これに組み合わせられるトランスミッションは、「F1マチック」と呼ばれる6速セミオートマチックである。

    2ペダルだが自動変速モードは搭載されておらず、F1譲りのパドルシフトでシフトチェンジを行う。
  • 当初349台の生産予定だったが追加生産で50台の合計399台が生産され、そのうち日本国内正規輸入台数は33台である。今の所これ以上の台数を生産する予定はなく、新車価格は邦貨換算7850万円とも言われているが、そのプレミア性のために1億円以上の価格をつけることも珍しくない。
  • 車体はボディパネル・フレーム共に、当時のトレンドであったカーボンコンポジットによって形成されている。
    シャシーにはF50のストレスマウント構造を採用せず、後方にフレームを張り巡らせてエンジンをマウントする構造を採用。

    その結果、アルミブロックエンジンの搭載が可能となり、カーボンの多用も相まって車体の大幅な軽量化を実現した。

    これはストレスマウント構造を採用したために、車内の静粛性や激しい振動等の問題を抱えたF50の反省でもあった。
  • 上記にもあるとおりこの車は60周年記念車という扱いで誕生した車なのだが、実際はかなり前倒しで発売されている。これにはフェラーリの苦しい内情が関係しているとされる。*1
    • 余談の部類かもしれないが、当時はポルシェカレラGTやメルセデス SLR マクラーレンなどのスーパーカーの生産・販売が盛んだった頃であり、商機を逃すまいと考え他社の類似コンセプトの車両より早く売ってしまおうと考えていたのかもしれない。
  • 足回りは前後共にダブルウィッシュボーンであり、ブレーキもブレンボ製のカーボンセラミックを装着した。
    この辺りはレーシングカー直系の構成であり、サーキットでの全開走行にも耐えうるものとなっている。

    その一方でASRと呼ばれるスタビリティコントロールやABS、更にはエアコンやアクティブエアロ等も搭載。

    スーパーカーとしての高い性能を発揮させる一方で、ロードカーとしての安全性も同時に確保されている。
  • 2013年3月、ジュネーブモーターショーにて実質エンツォの後継車と言える「ラ・フェラーリ」が発表された。
  • 生産台数は349台+追加生産50台の合計399台であり、日本国内にはその内の33台が正規輸入された。
    価格は日本円にして7850万円とされているが、現在では希少性から1億以上のプライスが付く事も珍しくない。

    なお、本車を基にGTレースへの参戦を目指したコンセプトモデルも製作されているが、正式発表はされていない。
  • Ver.1.39まではフルカスタマイズ トランスミッションとしてシームレスシフトを搭載できる数少ないノーマルカーであったが、Ver.1.40ではノンシンクロ シーケンシャルに変更された。
    • 当該バージョンでノーマルのミッションもマニュアルからオートメーテッド マニュアルに変更されているため、トランスミッションが両方入れ替えられたことになる。

+  派生モデルの解説
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*1 主な販売先である米国の超高級車バブルがはじける前にとっとと作って儲けてしまおう、ということ(F1は絶頂期だったが、親会社フィアットの不振など市販車部門は苦しかった模様)だったらしい

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