車両解説 トヨタは、スポーツカーにさらに磨きをかけるために、長年にわたり世界ラリー選手権に挑戦し続けていた。そして、2021年に導入される新型ラリーカーのベース車両として開発されたのが、このGRヤリスである。 一見、かわいいコンパクトカーのように見えるが、実はWRCで勝つために作られた格闘マシン。TNGA GA-BとGA-Cの2つのモジュールを組み合わせた3ドアボディは、可能な限り剛性を高め、軽量化と低重心化を図っている。リアフェンダーのワイド化はそのポテンシャルの高さを物語っており、リアウイング装着時の空気の流れを最適化するために、カーボンルーフは徐々にリアに向かって下降している。 四輪駆動のRZモデルに搭載されるエンジンは、G16E-GTS 1.6リッター3気筒ターボ。クラス最小・最軽量を誇る最新のパワーユニットで、200kW(268BHP)/370Nmを発生。これを6速マニュアルトランスミッションにマッチングさせている。ドライブトレインも非常に興味深いもので、新開発の電子制御カップリング式センターディファレンシャルが前方から後方へのトルク配分を調整する。また、「RZハイパフォーマンス」モデルでは、フロント、リアデフともにトーセンLSDを搭載し、強固なトラクションを確保している。 特別仕様車「1st Edition」は、2020年1月の「GRヤリス」の公開とともに発表された。マスタードライバー「モリゾウ」のサイン入り、専用鍛造アルミホイールを装着した予約者限定の特別限定モデルだ。 |