[迷宮突入時(初回)] 永遠なんてもんに あこがれて、 神の住まう地へ 行こうとした人々がいた 雲上をめざして 楼閣を建て 海の彼方に 舟をこぎだし 深い森に分け入り、 大きな穴も掘った。 その名残が 各地に現れた九つの迷宮だ いったい何人、 死んだのやら… ひとりくらい、 たどりつけたのかな? [迷宮突入時(二回目)] 大事なことを ひとつ言い忘れてたよ。 ボクたち神の力についてだ 祭具が消えたせいで 弱っているのは、 君たちだけじゃない。 実は天界もなんだ 祭具がなければ、 祭りはできない。 祭りがないと、 人が祈る機会は減る 信仰心は、 神の御飯みたいなもんなのサ。 薄れたら、 本来の力が出せないんだ もちろん、 昼子姉さんは教えなかったろ? くくく…一番困ってるのは、あの人なのにね 『ねうねう亭』 [突入時] 「い」「ろ」「は」と書かれた 三つのふすまは、それぞれ 「い」「ろ」「は」と書かれた 三つの何かがないと 開かない カギは、いったいなんだろう? どこにあるのか、わからない 確かなことは、ひとつだけ… そこらの猫に たずねても 無駄だってことサ [] 猫の砂場には、気をつけな いや、ニオイがどうとか 汚れがどうとか、そういう話じゃない ここの砂場は、アリジゴクならぬ人間地獄。 引きこまれたが最後、脱出は難しい とはいえ、落ちた先は地獄じゃない。 もちろん、天国でもないんだけど… そこがどこかは、 自分の目で 確かめるといいサ [突入時] この世のすべては、昼寝する猫の 夢の中の出来事……な~んてね 他の迷宮は、天界、地上、冥界とつながる 何かしらの言い伝えが あったけど ここだけは、何がどうしてこうなったか さすがのボクにも わからニャ~よ それにしたって、ニャーニャー ミャーミャー うッせえんだよ! 『富士見ヶ原』 [不帰の森入口・B] この迷宮のもう一つの名は、 不帰の森 季節ごとに変わるのは、葉の色だけじゃない。 少しずつ道も変わり、侵入者を迷わせる 行き倒れた者を 鬼たちが喰らい、 喰われた者は 新たな鬼になるんだ 美しい景色の裏にある 残酷な仕組み…。 まるで森自体が 一匹の鬼のようだね [突入時] 運が良ければ、この森のどこかで 地平の彼方に富士の山が 見られるそうだ かの山を見た者は、不死の身体を得る。 そんな言い伝えがあってね おかげで、この森に入る者は後を絶たず。 そして、大半は帰ってこない ククク… 君たちも探してみるかい? 不死身は無理でも ひと月やふた月 長生きできるんじゃないかな |