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|>|~分類|>|>|>|~性能|
|メーカー|アウディ|総排気量|3,700cc|PP|626|
|国籍|ドイツ|最高出力|540PS/-rpm&br;(540PS/5,000rpm)|全長|4,650mm|
|カテゴリ|プロトタイプレーシングカー/FIA-LMP1|最大トルク|91.8kgfm/-rpm&br;(91.8kgfm/3,500rpm)|全幅|2,000mm|
|モデル|''高品質''|駆動形式|MR|全高|1,030mm|
|ギャラリー|''対応''|吸気形式|TB|車両重量|900kg/49:51|
|内装|再現|PWR|1.66kg/PS|TM|6速|
|>|~入手方法|>|>|>|~カスタム/チューン制限|
|ディーラー|Cr.200,000,000|カスタム|>|>|ペイント:不可、ホイール交換:不可、エアロ装着:不可|
|プレゼント|---|チューン|>|>|ターボキットのみ可|
//-備考:

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-2011年のル・マン 24時間耐久レースとILMCシリーズに出場したアウディ2号車。ドライバーはアンドレ・ロッテラー/マルセル・ファスラー/ブノワ・トレルイエ組がドライブ。またアウディ陣営は3台体制で参戦し、1号車がマイク・ロッケンフェラー/ティモ・ベルンハルト/ロメイン・デュマ組、3号車がトム・クリステンセン/アラン・マクニッシュ/リカルド・カペロ組で参戦。
12年以降はオリバー・ジャービス、ルーカス・ディ・グラッシ、マルコ・ボナノミ、マルク・ジェネ、フェリペ・アルバカーキ等と契約を結び、WEC/ル・マンを走行した。

-2011年のル・マンのレギュレーションは、排気量が大幅に減る事が決定した。これに対しアウディ陣営は、R15+(GT6未収録)のエンジンを積み替えるのではなく、新規車両を制作することを決断する。
排気量ダウンで厳しくなったパワーをカバーする為、[[R8>R8 レースカー '01]]〜R15+まで使用していたオープンボディを廃止し、R8C以来のクローズドボディを採用することにより、空気抵抗を削減していく事でスピードを維持しようとした。
この方向に走った理由のもう一つは、今まであったオープン/クローズド間の性能調整がほぼ無くなったこともある((唯一とも言える性能調整が''クローズドの場合室温が一定以下になっていること''程度))。視界が悪いのが難点ではあるが、ルームミラー部分にバックビューモニターを埋め込む事である程度解決している。年によっては盛り上がるホイールハウス対策で、右前と左前を見るためのモニターも設置されていた。
同時にR8から続いていた左ハンドルから、右ハンドルへと変更された。これはノーズのフォーミュラ化が進んだ結果、左ハンドルではフットボックスのポジションもあり、ドライバーに窮屈な姿勢を取らさざるを得ない為である。

-コンセプトは「効率」。その大きなポイントとしてV型エンジンのセオリー「吸気は内側、排気は外側でツインターボ」を打ち破った「外側吸気、内側排気でシングルターボ」というパワーユニットである。これによりエンジン自体をコンパクトにすることに成功。120度バンクV6エンジンのバンク間にターボを置いたことにより、重心こそ上がってしまうが、ターボとエキマニという熱源をまとめる事が出来た為、冷却性能の向上にも繋がっている。シングルターボなので屋根上のインレットから取り入れた空気は、ほぼ一直線にコンプレッサーへと運ばれ、吸気抵抗の削減にも役立っている。
タービン本体も可変ジオメトリーコンプレッサーホイールを導入、エキゾーストハウジングも左右バンクから来た排気を、一度まとめてからターボに入れるのではなく、「互」という字の形のように、それぞれを独立してターボに入れるという独特な構成を採用し、熱効率アップと排気抵抗減少、エキマニの曲げや溶接部分が少なくなることによる信頼性の向上に繋がっている。コンプレッサーハウジングも同じよう互型ハウジングを使い、直接2系統で排出することにより、ターボ→インタークーラー→エンジンまでの経路をシンプルかつ短くすることに成功している。
排気量が落ちて最大トルクが下がったというのもあり、TDIシリーズ初の6MTが採用された。
ちなみにこのエンジン、いくらコンパクト化したとはいえディーゼルならではの強度と振動は解決出来ておらず、エンジンをストレスマウント化出来ないためにバックボーンフレームでリアを支えていたり、ライバルであるトヨタは[[TS030 ハイブリッド '12]]の時点で100kgを切ったのに対し、2014年になっても目標が200kg切りというレベルである。

-特徴的なライトユニットはフルLED仕様。今のエンブレムの前に使っていた「1」というエンブレムがモチーフになっている。開発にも気合を入れすぎたようで、カウルとこのライトユニットを合わせると、マンションが買えるという噂もあるほど。
なお照射距離は800m先まで照らす為、K16を受け取るとイソップの頭は真っ白になってしまい、シンナーを吸ってしまうと、特に追いつかれる事の多いLM-GTEクラスのドライバーからは不満が出ている。ただこれくらい明るくないと闇夜のナイトセッションでは危険という、アウディ陣営からのメッセージとも受け取れる。
余談だが後年シボレー陣営はこれに対抗してか、モニターの映像に、後ろのマシンの位置と自分の回避する方向の指示を合成する、高機能バックモニターを開発した。

-翌12年。このマシンは新生WECの開幕戦に出場したのを最後に引退。第2戦よりモノコックから作り直され極限まで軽量化し、ハイブリッドシステムレディとなった「R18 Ultra」と、それにハイブリッドシステムを組み込んだ「R18 e-tron quattro」(共に未収録)を投入した。12年WEC最終戦からは、ほぼ1シーズン走らせてe-tronシステムの信頼性も確認されたため、Ultraモデルも引退させ、e-tronモデル1本のみで参戦している。
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#region(発展系とも言えるUltraとe-tronの解説)
-UltraはTDIをベースに、e-tron搭載を前提、e-tron分のウェイトを可能な限り軽量化で賄おうとしたモデル。結果的に言うとe-tron分どころかバラストが必要になるレベルでの軽量化を達成していた。
各部を効率と最適化というコンセプトで軽量化を重ねたことで、R18TDI比-90kgを達成、モノコックはアウディ史上最軽量となった。またフロント部分のモノコックはe-tronシステムのため、レイアウト自体も若干変更となっている。
この年からライトユニットの点灯を制御することにより、ハンドルと連動して照射方向を変えるというギミックを導入した。これは2013モデルにも引き継がれた他、2014モデルではレーザーライトを照射し500m付近を確実に照らすようにすると、新技術と明るさへの追求も続けられている。

-e-tron quatrroはUltraをベースに、ウィリアムズから購入したフライホイール式ハイブリッドシステムを組み込んだ物。システム自体は助手席に設置されたため、プロトタイプカーのアイデンティティでもある2座席という用件を満たしていないが、特例でOKとされた。ちなみに同年度登場の[[トヨタ TS030 HYBRID>TS030 ハイブリッド '12]]も同じように、ハイブリッドシステムは助手席を潰して設置されている。ちなみにe-tronとはアウディが研究中の電動技術の総称。2013年のジュネーブモーターショーにて、A3に積んだ「A3スポーツバックe-tron」が公開された。さすがにハイブリッドエンジンはフライホイールではなくリチウムイオン電池を採用している。
quatrroという名の通り4WDとなっているが、従来のクアトロシステムを採用した訳ではなく、通常時はMR、ハイブリッドシステム作動時は4WD。つまり前軸を電気で駆動させるシステムとなっている。常時4WDモードが使えてしまうと、コーナー立上りでの加速が確実すぎるアドバンテージとなってしまうため、パワーの放出は120km/h以上と制限されている。
リアでなくフロント回生フロント放出を選んだ理由はクアトロシステムとの関連もあるが、元々リアヘビーなディーゼルエンジンを積んでいる故に、リアにシステムを積むとさらにリアヘビーになってしまい破綻する可能性が高い事も挙げられている。

--この両者はハイブリッドシステムを積むか、その分のウェイトをバラストで補っているか((ハイブリッドシステムを積んでレギュレーションの最低車重に合わせているため、それを外すと最低車重を割り込んでしまう))の違いしかないため、相互のコンバートは2〜3時間もあれば完成してしまう。

-2013モデルは後述のウィング関係などの小変更にとどまっているが、2014年モデルはレギュレーションによる車体幅の調整で、全体のイメージはともかくスタイルはかなり別物になっている。エンジンも昨年までの3.6Lから4Lへと増やされた。こっそりとミッションも7速となっている。
#endregion
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#region(WEC/ル・マンでの活躍、戦績など)
-2011年のルマンには3台を投入。ロッケンフェラー駆る1号車とマクニッシュがドライブする3号車がLM-GTEクラスとクラッシュを起こしリタイアする中、唯一生き残った2号車を最終局面まで1位で持って行く事に成功。しかし2-3-4位と3台全てを生き残らせているプジョー908(GT6未収録)との差はわずか1分。ここで2位のプジョーがラストピットでタイヤ交換をしないというギャンブルに出る。同じようにスプラッシュゴーしたのでは、タイヤが持たないと判断したアウディ陣営は4本交換のフルサービスを決断。これによりピットアウト直後に8秒まで詰め寄られてしまう。最終スティントを担当したロッテラーの必死のドライブにより、最後はなんとか14秒まで離して優勝をもぎ取る。最後の15分はパレードと言われるルマンの中で、チェッカーまでフルスピードで勝負を行っていたのはまれに見るケースであった。 
1年しか使われなかったとはいえ、あのルマンの激戦はファンの心に刻まれている。

-12年のルマンでは1号車、2号車のe-tronと3号車、4号車のUltraを2台ずつ送り込む。
前年までのライバルプジョーが撤退し、新ライバルとなったトヨタの7号車、8号車も共にLM-GTEクラスと[[デルタウィング>デルタウィング 2012 Le Mans]]と絡みクラッシュする中、メインのe-tronで1-2、バックアップのUltraも3-5フィニッシュと完勝。同時にルマンの歴史に4WD車、ハイブリッド車での勝利という新たな歴史を刻み込んだ。
この年いろいろやらかしたせいでアウディスポーツ・チームヨーストは非常に変なあだ名を頂戴してしまうのだが、それは[[R8>R8 レースカー '01]]の余談欄を参考にしてもらいたい。

-13年はe-tron3台体制で参加。リアにトヨタウィングと呼ばれる新たな翼端版を採用し、テールを若干伸ばしたラングヘック仕様にするなど、さらに効率が追求された。ブロウンディフューザーの採用や、パワー重視の燃料噴射量にしたせいで、通常10周、燃費走行でも11〜12周という史上最悪クラスの燃費になってしまったが((それでも2.57Km/LとGr.C規定を超えているのはさすがディーゼルハイブリッドである))、その分最低でも1周で1秒以上トヨタを引き離すハイペースで周回を重ねる。3連覇を狙った1号車がオルタネータートラブルで43分ガレージに釘付けになるというアウディらしからぬ部分もあったが、ノントラブルの2号車がきっちりトヨタを周回遅れにし優勝。2位こそ譲ったが3号車も3位、ピットで12周を費やした1号車も5位と耐久王の座は譲らなかった。

-14年は王者アウディらしくないシーズンでル・マンを迎える事となる。WEC開幕戦シルバーストンにて1.2号車共に単独でクラッシュ。2号車はモノコックにまでダメージが及び、第2戦スパではモノコックの新造が間に合わず、テストで使用済みのモノコックを引っ張り出すところまで追い詰められる。この2戦ともトヨタTS040、ポルシェ919(両者GT6未収録)に歯が立たず、ル・マンウィークに入っても調子は良くなかった。
原因は重いディーゼルエンジンがハイブリッドエンジンの足かせとなり、最大容量を稼げなかったためと考えられている。
そしてフリー走行では1号車がポルシェカーブで2011年を思い出させる大クラッシュ、サバイバルセルは残ったもののマシンは完全に全損。ドライバーのロイック・デュバルは軽症で済んだが病院送りとなり、急遽他のチームから出場予定のマルク・ジェネ((2012年3号車をドライブし、あの伝説を作ってしまった張本人))を借りることとなってしまった。
しかしアウディスポーツ・チームヨーストはファクトリーでないのに、完璧に近い形でスペアモノコックから48時間でマシンを組み立ててしまい、またもや伝説を作ることに。その後ルーカス・ディ・グラッシがまたしてもクラッシュしたがこれも修復。
そしてレースがスタートするとどこよりも多いダウンフォースで、最低3スティントというタイヤへの優しさを武器にロングランでは安定したペースを保ち、半周遅れでトップの7号車トヨタを追う。
突然の雨でトヨタ8号車のクラッシュに巻き込まれ3号車を失うも、ナイトセッションに入り連続5スティントかつ1周3秒以上速いペースで猛追、計算上はゴール付近での大接戦となった。
そんな中トップを走行中の7号車トヨタが電気系のトラブルでダウン。路上修理を試みるも復旧できずにリタイヤ。これでトップに浮上しいつものアウディの独壇場が始まると思いきや、生き残っていた1号車2号車ともにターボトラブルが発生。20分近いストップとなりこの間にポルシェがトップに立つ。
最大3周遅れとなり、各ドライバーが終わったと思いながらも必死のチャージをかける中、1セッション4スティントで1周半挽回するなどの信じられないペースでラップを重ね、終盤なのにファステストラップを連続で更新していく走りを見せ、2号車が自力でポルシェをぶち抜きトップに、そして1-3で終わると思いきやなんとそのポルシェもトラブルでストップ。最後に1-2という最高の形で笑ったのはやはりアウディだった。
この年はワークス7台((アウディ3台が1号車ターボトラブル、2号車ターボトラブル、3号車クラッシュリタイヤ。トヨタ2台が7号車電装系リタイヤ、8号車クラッシュ。ポルシェ2台が14号車ギアボックス、20号車パワートレイン系リタイヤ))全てがトラブルに巻き込まれたが、一番軽症に抑えたのがアウディだった。
#endregion
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#region(以後余談)
-[[R8>R8 レースカー '01]]、[[ベントレーSpeed8(R8C)>Speed 8 '03]]、[[R10>R10 TDI '06]]と収録される中、R15とR15+が今回も収録を外れている。ライバルである[[908 HDi FAP>908 HDi FAP - Team Peugeot Total '10]]はGT6で収録されているのが惜しい所である。やはりR8で初優勝して以来、16年のアウディ栄光の歴史の中で、唯一の汚点なのが悪いのか…。
--R15+は2010年に39年ぶりにルマンの最長距離記録を塗り替えたということもあり、収録が望まれているはずなのだが…。

-またシャークフィンとカナード、ドアミラーの色についてはドイツ国旗を表していて、1号車が「黒」、2号車が「赤」、3号車が「黄色」となっている((その後のル・マンでも採用されているがは色は11年と異なりドアミラーのみに配色されている))。

-1号車、2号車はTeam Joestから参戦しているが、3号車のみNorth America名義として参戦している。
North Americaはこの3号車以外にも過去にル・マンを走行している。2007.08年にもR10の1号車と2号車(3号車はTeam Joest)を駆り07年に1号車、08年に2号車がそれぞれ総合優勝、10年には9号車のR15+ TDI(GT6未収録)を駆り総合優勝、12年にも4号車のR18 Ultra(GT6未収録)で3位に食い込んでおりTeam Joestと密接な関係を築いている。

-アウディワークス=Team Joestのイメージが強いが、以前はポルシェを使う有力プライベーターであり(この時も実質ワークス用のエンジンやマシンを貸し出されたことがある)、第一期DTMではオペルのワークス待遇で[[カリブラ>カリブラ ツーリングカー '94]]を、Speed8の時にはベントレーを走らせるなど、ワークスではなくマシンを貸してもらい、その車を走らせるための運営や整備を行うサテライトチームである。

-収録の'11、Ultra化された'12、レギュレーションの都合によりまたモノコックを新造することとなった'14と、同じR18の名を持ちながら何代にも渡っているが、これはコンセプトが同じという事を強調するためである。アウディの市販モデルもコンセプトが同じであれば同じ名前を名乗っており((乗用車はA○、そのハイパワーモデルはS○、EvoモデルはRS○、SUVはQ○などなど))そのブランドイメージをレースカーにも適応している。
#endregion
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