-総排気量:1597cc
-最高出力:120ps/6500rpm
-最大トルク:14.00kgfm/5500rpm
-駆動形式:FR
-全長:3970mm
-全幅:1675mm
-全高:1235mm
-車両重量:940kg
-価格:Cr.1,700,000
-Lv:0
-PP:358
-備考:走行時にソフトトップ化
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#ref(ロードスター89前.jpg,nolink)

-↓走行時にソフトトップ化

#ref(ロードスター89後ろ.jpg,nolink)

-ユーノスロードスターは、マツダが当時展開していた「ユーノス」と呼ばれる販売チャンネルから1989年にデビューしたスポーツカーである。
バブルが崩壊して販売チャンネルが縮小されてからも、その名が変わることはなかった。
なお、海外では「MX-5」と呼ばれている。
本モデルの存在が、一時期途絶えていた小型のオープン2シータースポーツというカテゴリーを復活させる呼び水となったのは事実であり、世界中の自動車メーカーに与えた影響力は計り知れない。

-そのまま車名として採用された「ロードスター」とは、そもそもボディ形状を示す言葉で、元々は「2座席で開閉式の窓や屋根を持たないオープンカー」を指す用語で、例えて言うなら「セダン」とか「クーペ」と名づけるのと同じことで、大胆なネーミングであった。
ところが、本モデルの大ヒットで、「ロードスター」という言葉の意味が「オープン2シータースポーツ」と変貌することとなった。
これまで、日本車と言えばコストパフォーマンスの面で評価されることはあっても、本モデルのように車造りの「思想」という面で世界に多大な影響を与えた前例は皆無であり、現在に至るまで稀有な存在である。
そういった点を鑑みれば、自動車の歴史に残る名車であることは間違いないといえよう。

-開発主査となった平井敏彦氏は、ユーノスロードスター開発に当たってのキーワードを「''人馬一体''」と定め、若者が買えるライトウェイトスポーツを徹底的に意識した。
そのため、開発当初から一貫してFRを主張し、(おそらくコストダウンのためだと思われるが)上層部からFFとするよう指示を受けるも頑として撥ね付けたという逸話が残っている。
また、重量配分、特に慣性モーメントの低減にはを拘りを見せ、パワートレインや足回りに潤沢な予算を投じる一方、スポーツカーに関係ない部分は安価な部品としている。
例を挙げれば、灰皿などは当時ラインナップされていたトラックのものを流用したという。

-搭載されたエンジンはファミリア用1600ccエンジンをFR用に改良した	B6-ZE型エンジンで、最高出力は120psにとどまったが、無駄を排した軽量な車体には必要十分なスペックであり、誰にでも扱いやすい特性となった。
なお、マイナーチェンジで排気量が1800ccに増えたBP-ZE型エンジンが投入され、最高出力も130psにアップしている。
開発当時、RX-7用ロータリーエンジンを搭載する声もあったが、平井氏は一切聞き入れなかったという。
確かに、ロータリーエンジンを採用すれば性能は向上し重量配分も優れたものになる。
しかし平井氏は、「ロータリーなんか積んだら、すぐターボがどうのという話になる。」と、却下した。
実際、後に登場した海外製オープンカーの多くが大型化し、大柄で大排気量のエンジンを採用した利益率の高いプレミアム志向、つまりは終わりない性能競争へ足を踏みいれている。
ユーノスロードスターがこうした争いに巻き込まれなかったのは、この平井氏の判断によるところが大きい。
平井氏が掲げた「ライトウェイトスポーツ」というコンセプトが一貫してぶれることがなかったことが、後の名声へと繋がっているのである。

-サスペンションはスポーツカーにとっては定番の前後ダブルウィッシュボーン式でマツダ初となった。
搭載されたトランスミッションは当初はMTしか用意されず、当時の国産車では最小のショートストロークで、手首を返すだけでもシフト操作が可能であった。
また、ミッションケースとデフケースを結合するアルミ製パワープラントフレーム(PPF)の採用により、駆動部の剛性を高めてダイレクト感のあるアクセルレスポンスやシフトフィールを実現している。
なお、このフレームを設計した貴島孝雄氏は、平井氏の退職に伴いロードスター開発主査の座を引き継いでいる。

-雨が多い日本市場を考慮すれば屋根を完全に廃することはできず、手動式ソフトトップと、オプションでデタッチャブルハードトップが用意された。
ソフトトップについては、重量低減にこだわった結果ビニール製となったが、経年劣化によって曇りや割れが発生しやすく不評であった。
後に貴島氏は「ロードスターにとって''基本はソフトトップ''である。そのため、いかなる事情があろうともロードスターである限りソフトトップは絶対に止めない」と発言している。

-楕円をモチーフとし、曲面を多用した愛嬌あるデザインのボディにはリトラクタブルヘッドライトが採用され、特に日本の伝統を意識したデザインコンセプトと機能性の両立は国内外から高く評価された。
また、ボンネットを主要なパーツをアルミ製とするなどして、グレードにもよるがMT車で車重940kgを達成している。

-拘り抜いて開発されたロードスターのプライスは最低価格170万円からと非常にリーズナブルな価格設定になっていた。
そのため、モデル発表時点で半年分の予約が埋まってしまうほどの大ヒットとなり、1998年にモデルチェンジするまでの総生産台数は約43万台に達した。
スポーツカーがここまでの生産台数を記録したことは前例がないことであり、後に「世界で最も多く生産された2人乗り小型オープンスポーツカー」としてギネスブックに認定を受けた。

-特別仕様車が多く発売されたのも特徴で、GT5においては、収録されている大部分がスタンダードカーとなる。

-余談。
初期型、中期型、後期型を区別する方法についてだが、リアの“Roadster”のロゴプレートの文字色が各モデルで異なる。
初期型が黒文字、中期型が&color(Red){赤文字};、後期型が&color(Green){緑文字};となっている。
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//-カラーバリエーション:


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