|CENTER:BGCOLOR(#e0e6eb):90|340|CENTER:BGCOLOR(#e0e6eb):70|220|CENTER:BGCOLOR(#e0e6eb):70|180|c |>|~分類|>|>|>|~性能| |メーカー/国籍|トヨタ/日本|総排気量|2400cc|全長|4,650mm| |カテゴリー1|Gr.1|最高出力|514PS/7,800rpm|全幅|1,900mm| |カテゴリー2|プロトタイプレーシングカー/FIA-LMP1 Hybrid((ハイブリッドカー))|最大トルク|50.8kgfm/5,000rpm|全高|1,050mm| |内装|あり|駆動形式|4WD|車両重量|875kg| |年式|2016|吸気形式|TB|TM|6速| |>|~入手方法|>|>|>|~セッティング他| |ディーラー|Cr.100,000,000|制限|>|>|---| |その他|---|特記|>|>|---| //-備考: #region(←カラーバリエーションを表示) |>|>|>|>|~カラーバリエーション| |☆No.5|No.6|---|---|---| #endregion ---- #ref(ts050_16.jpg,nolink) ---- -現行のWECになってから3世代目となるTS050。 最大の変更点はTS040以前の3.4L V8自然吸気エンジンから、2.4L V6直噴ターボエンジンに切り替えた事である。 本来はTS040をもう1年動かしてからTS050にバトンタッチする予定だったが、TS040の戦闘力不足が露呈したために、1年前倒しでモデルチェンジとなった。 -どうしてターボになったのか、というのはWECのレギュレーションによるところが大きい。 今までエンジンのパワー制限は吸気量(リストリクター径の調整)で行われていたため、ターボでも自然吸気でも最大出力はほぼ固定で、ターボではブースト圧によってパワーを簡単に調整できる代わりに重い、自然吸気はエンジン補機が軽量化出来るので重量配分がしやすい、代わりにエンジンマップ切り替えによるパワー調整が難しい。といった感じでバランスが取れていた。 しかし燃料流量によるパワー調整となった関係で、ターボでめいいっぱい空気を取り込んだリーンバーンエンジンのメリットが格段に向上、重量以上に性能が向上してしまったため、トヨタもターボへ移行することとなった。 同時に今まで使っていたキャパシターからリチウムイオン電池へと変更。これは周回放出可能上限値を6MJから8MJに引き上げた影響である。充放電のレスポンス以上に充電容量に目を向けた形である。 -GTS上では514馬力となっているが、これはエンジン単体の出力であり、ハイブリッドエナジー放出中は前後モーターで500馬力がアシストされ''1000馬力''を発揮する。 この放出量も手元でコントロール可能で、雨の時にはエンジン出力とリア軸へのアシストを抑えめにして、4WDに近い挙動にすることも出来るとか。 ちなみにレギュレーション上、ピットアウト時には完全EVモードで発進して、ピットロード出口でエンジンを掛ける。同じくレギュレーションで、ボックスから出る際にホイールスピンさせることが禁止となっており、ほぼ無音で発進するため、プレスにはピットアウトのタイミングが分かりづらく、ちょっと怖いと評判。 -フロントカナードがついていないローダウンフォースパッケージで収録されていることから、本車の取材はル・マンかスパで行われていることが分かる。 ---- #region(足踏みと足踏みと…) -2016年ルマン、23時間50分までトップを堅守。 全世界がトヨタの初優勝が決まったと確信したその時。突如として聞こえてきたのは「I have no power!」の無線。この時、ターボにトラブルが発生していた。 「ええええ、今ノーパワーって言ったぞ」というJSports実況の中島秀之氏の叫びと共に映し出される、スローダウンしたTS050。そのままホームストレートのゴールライン近くに停車してしまい、その横で[[ポルシェ>919 Hybrid (Porsche Team) '16]]にオーバーテイクされてしまった。 その後なんとか再始動こそ果たしたものの、最終周回のラップタイムが規定に満たなかったため失格扱いに。 この一件は今でも語り継がれる、非常に大きな屈辱の瞬間である。 -翌2017年、シケインが無かった頃のポールタイムを更新するという圧倒的な力を見せつけたTS050。決勝で早々に1台をトラブルで後退させながらも、1-3位をしっかりキープ。 しかしトップ走行中の7号車に悪夢が。SCラン中にピットロード出口で待機していたところ、とあるドライバー(レース後、一連の出来事を知らされたジャーナリスト達からは"偽マーシャル"と揶揄される)((LMP2クラスに参戦していたフランス人))がグッドラックの意味でサムアップ。これをピットロード出口オープンだと思ってしまったドライバー小林可夢偉は思わずマシンを発進させてしまう。 すぐにオフィシャルに止められ、可夢偉はPITとの無線でレッドシグナルを確認するが、さらにサムズアップは続き、これをきっかけにしてEVでのスタートが出来なくなってしまい、短時間で予定外に切ったりつないだりしたクラッチもオーバーヒート。そんな状態でクラッチを繋ぎスタートしたことによりトラブルが起こり、EVモードで周回を試みるも1周持たずに停止してしまう。 直後に9号車がメインストレートエンドでLMP2に追突されてしまい((燃料流量規制=燃費制限の関係でストレートエンドでアクセルが勝手に抜けてしまうLMP1より、ル・マン特別レギュレーションにより燃料流量が大幅に緩和されているLMP2の方がストレートエンドでの速度が速い。))、ドライバーのラピエールが強引に復帰を試みたリアタイヤのパンク→バーストから車両に大ダメージを与えた上、タービンオイルラインが切れる等の連鎖反応。 こちらもエンジンを切ってEVモードでの周回を試みるも、やはりピットまでたどり着くことはできなかった。 トヨタは2年連続で苦汁をなめる結果となる。 -翌2018年、ポルシェの撤退によりライバルが居ない状況となっていたが、TS050はルマンに降り立つ。 ライバルが居ないという状況の中、可夢偉のピットイン忘れ、7号車のミッションの不安、両車とも複数回の黄旗見落としからのペナルティなどいくつかのトラブルがあったものの24時間後にゴールラインを踏ませる事に成功。 初のワークス参戦から31年。2位と優勝確定の状況からのトラブルを合計する事6回。 トヨタはようやく表彰台の頂点に足を運ぶこととなった。 -2019年、同じくライバル車不在のままトヨタはTS050でルマンに参戦した。 2018年と同様、1-2フィニッシュを飾り2連覇を飾ったのであった。 尚、TS050は2019年を最終シーズンとしている(下記参照)。 -2020年からは、GRが開発している市販車「GRスーパースポーツ(仮称)」をベースにしてルマンに参戦する予定。 #endregion ---- |