-2012年のパリサロンで発表されたマクラーレンでは初のハイブリッドカーがP1である。P1 GTRはマクラーレンオートモーティブ最初のロードカーであるマクラーレンF1発売20周年を記念してP1をベースにサーキット走行専用車として妥協なきチューンアップを施したモデル。

-ベースのP1のエンジン(PU)は、MP4-12Cに用いられた3.8L V8ツインターボエンジンをベースにさらにパワーアップを施しエンジン単体で737PSを出し、そこに179PSのモーターのアシストを加え、システム合計で916PSを発生させるという物である。P1 GTRはここからもう1段階のパワーアップを施しシステム合計1000PSを達成している。
アイパスという名称のマクラーレン独自のハイブリッドシステムは、F1のKERSのような"より強い加速を得る"方向に特化した物であり、エネルギー回生が減速時のエンジンの余剰回転分でのみという変わったシステムである(下記のブレーキステアとの兼ね合いか、回生ブレーキを使用していない)。
余談だが、P1は10km程度の範囲ならEVモードで走行可能とのこと。

-P1の段階でDRSやブレーキステアなどのF1直系の技術が用いており、ダウンフォースはサーキットモード時に最大600kgを発生させ、ロードカーとしては異次元レベルのコーナリング性能を持っているのだが、P1 GTRはここからさらに上のレベルを目指し、P1では4段階調整が可能だったアクティブなエアロ・ボディコントロールシステム"RCC"をサーキットユースに特化したシステムに変更した上で、サーキット走行に適したより大きなダウンフォースを発生させるリアウイングの装着やサスペンスセッティング等を施している。

-マクラーレンは購入者向けにサーキット走行プログラム等を提供するという確約の元、当時の為替レート換算で約3億4000万円でこの車両を少量販売した。なお購入資格は「ベースモデルのP1のオーナーであること」((P1自体も販売開始当時の為替レートで約1億円の販売価格であった。))。

-その後派生モデルとして、イギリスのランザンテ((レース仕様のマクラーレンF1 GTRの制作にも関わった少量生産メーカーおよびチューニングメーカー))がP1 GTRを元に公道走行可能な状態に仕立て直したP1 LMを5台製造した。エンジン(PU)は公道走行可能な仕様に改修しつつ1000PSを持続、マクラーレンF1に用いていた金箔貼りのなどの技術も投入したという車両で、ニュルブクリンク北コースのTTに挑み6分43秒22を記録した((なお、ベースモデルは余裕で7分を切ったという報道があったが、マクラーレンはタイムを公表していない。))。


リロード   新規 下位ページ作成 編集 凍結 差分 添付 コピー 名前変更   ホーム 一覧 検索 最終更新 バックアップ   ヘルプ   最終更新のRSS