Chapter-2
パートナーとの出会い

パートナーが♂口調 Edit

コノハナ
ついただど。

コノハナ
ここが オラのうちだ。


コノハナ
こっちだど。

コノハナ
ここだ。

コノハナ
とりあえず ここで ねとまりはできる。
ちょっとせまいが ガマンしてくれ。

コノハナ
それで……これからのことだけどよ……

コノハナ
どうする……?

(………………。)

コノハナ
オーベムたちが なんで おそって
きたのか気になるけどよ……

コノハナ
でも考えても わかんねえし……。

コノハナ
まあ記憶がもどれば わかってくることも
あるかもしれねえし……

コノハナ
とりあえずは ここで。
ええな?

コノハナ
オーベムたちのことは 村のみんなに
いうと こわがるから だまっておこうな。

コノハナ
あとは……

コノハナ
そうだ。見たところ 学校にいく年ごろだし
学校に いかねえとな。

コノハナ
いかないで フラフラしてると
目立つし……

コノハナ
とりあえず学校には いくことに
しような。

コノハナ
さっそく 手続きに いってくるだど。

コノハナ
なんで オラが帰ってくるまでは
うちン中で待ってるんだど。

コノハナ
ええか。まちがっても 外に
出るんじゃないだど。


(……! 今 なにか音が……!?)

窓に影が映る

(わわっ!!)

ザザッ!

ザザザザザザザザザザッ!

(外に……なにかいる……!)

(まさか オーベムたち……?)

(ふりきったと思ったのに……!)

家から出る

(……だれも いないかな……。)

(でも ゆだんしちゃダメだ……
気をつけないと……。)

家の裏からパートナーが近づいてくる

???
やっぱり!!

(わっ!!)

???
やっぱり見まちがいじゃなかった!

???
さっき コノハナさんと いっしょに
入っていくところを見てたんだ。

???
キミ どこからきたの? 名前は?

(え~と……なま……)

パートナー
ボクは パートナー

パートナー
おじいと いっしょに すぐ近くに
住んでるんだ。

パートナー
ほらあそこ!

パートナー
それで キミは どこから きたの?

パートナー
もしかして コノハナさんの
子どもだったり?

パートナー
そんな ワケないか! ハハハハハハハッ!

パートナー
そうだ! ここ 初めてなんだよね?

パートナー
村を案内してあげるよ! いこう!

(わわわわわっ!!)


パートナー
そういえば 名前は?

パートナー
あれ? 聞いたっけ?
まだ聞いてないよね?


パートナー
そっかー。リーダーって
いうんだー。

パートナー
こっちから聞いといて なかなか
いうヒマなくて ゴメンね。

パートナー
……えっ? うるさい?

パートナー
今 心の中で いったでしょ?
うるさいって。

パートナー
そんなこと いわないでよ もー。
ミルタンクも モー。

パートナー
あっ! 今 ジョウダンいったの
わかった!? わかった!?

パートナー
アハハハハハハッ!!

パートナー
……というワケで……

パートナー
ジャジャ~~~~~~ン!!

パートナー
ここが おだやか村の ど真ん中……
ポケモン広場だよ!

パートナー
少ないけど 施設もあるんだ。

パートナー
あそこにあるのは あずかりボックス。

パートナー
道具や おかねを あずけたり
取り出したりできるんだよ。

パートナー
ここは カクレオンのお店。

パートナー
いろんな道具が 買えるんだ。

パートナー
まあ いきなり たくさんいわれても
わかんないから……

パートナー
ひとつひとつ しょうかいするね。
まず……

???
おい! パートナー!!

パートナー
あっ! ハスブレロ!!

ハスブレロ
やっと見つけた!

ハスブレロ
オマエ オレんとこの ハス池を
あらしただろ!?

パートナー
そ…それは ちがうよ!

パートナー
たんに冒険がしたかっただけで!

逃げようとする

???
パートナー! トーマーレー!

パートナー
わっ! ヒポポタス

ヒポポタス
チョット! コノ間 ワターシノ ナワバリノ
洞窟ニ ハイッタデショ?

ヒポポタス
ツイデニ ソノ奥ニアル オ宝
トッタデショ!?

パートナー
い…いや! あれは ダンジョンを
探検した そのついでに……!

パートナー
ホラ ダンジョンのクリアに 戦利品は
必要なものだし……。

逃げようとする

???
コラッ! パートナー!!

パートナー
お! おじい!!

ハスブレロ
おお! アバゴーラじいさん!!

アバゴーラ
こんなところに おったか!

アバゴーラ
家の仕事は どうした?
いつもサボって フラフラしよって!

パートナー
おじい! これには ちょっとした
ワケが……

アバゴーラ
しかも うちの農園のオレンのみを
つまみ食いしたじゃろ?

パートナー
してない!

アバゴーラ
した!

パートナー
してない!

アバゴーラ
正直にいえ!

パートナー
した! うまかった!

(………………。)

むらのみなさん
おい! あそこに パートナーが!

むらのみなさん
みんな! パートナーがいたぞー!!

パートナー
わわわわわっ!!

逃げだす

アバゴーラ
にがすな! 追うぞ!!

むらのみなさん
おおーっ!!

ドドドドドドドドドッ!!!

(………………。)

(……なんだったんだ 一体……。)

(とり残されちゃったけど……
せっかく ここまで きたんだし……)

(とりあえず 広場を
見てまわるか……。)


あれ? なんだろう……?)

???
ええ~!? ヌメラが!?

???
ああ どうしてもいくって。

???
ちょっと! チョボマキ!

???
どうせ ヤンチャムと いっしょに
たきつけたんでしょ?

チョボマキ
そ…それは いいがかりだよう。
シキジカちゃん。

チョボマキ
アイツ 自分からいくって
いいだしたんだぜ?

シキジカ
よくいう。いつも ヌメラのこと
からかっているくせに。

シキジカ
いきすぎたあとじゃ おそいのよ?

チョボマキ
わ…わかったよう。
そんなに おこるなよう。

シキジカ
案内して。今すぐ。

(あの2匹……村の子たちかな?)

(なんだろう……ちょっと
気になるな……。)

シキジカ達の後を追う

シキジカ
ええ~っ!? まだ 帰ってこないの!?

???
ああ そうだ。

???
時間も ずいぶん たってるし。
ホント いわんこっちゃねえぜ。

チョボマキ
やっぱりな。

チョボマキ
弱いんだから おとなしくしてりゃ
いいんだよなあ。

???
いうことだけは いっちょまえだからな。

???
『根性を見せてやる!』なんて
カッコつけるから こんなことになるんだ。

チョボマキ
今ごろ 森の中で動けず なみだ
ためてるンじゃないの?

???
ハハハハハハハハハーーーーッ!!

シキジカ
ヒドイよ! ヤンチャム!

シキジカ
ヌメラは ワタシたちより おさないのに!

ヤンチャム
エラそうなこというから こうなるんだ。

ヤンチャム
社会のきびしさも 少しは
教えてやらないとな。

シキジカ
なにかあったら どうするのよ?

シキジカ
ワタシ いってくる!

チョボマキ
ダメダメ! シキジカちゃんは
いっちゃダメだよ!

ヤンチャム
シキジカちゃんは なんたって オレたちの
アイドルなんだから!

ヤンチャム
キケンなところには いかせられないよ!

シキジカ
なんなのよ もう。

シキジカ
じゃあ ヤンチャムたちが いってきて!

ヤンチャム
オ…オレたちが……?

ヤンチャム
この こわそうな森に……?

ヤンチャム
……ヤダ。めんどくさい。

ヤンチャム
い…いっておくけど けっして こわくて
いきたくないワケじゃ ないからな!

ヤンチャム
そ…そこんとこ カンちがいするンじゃ
ないぞ! カンちがい! ダメだぞ!

チョボマキ
ん……? オマエは……?

チョボマキ
見たことないヤツだな。

ヤンチャム
オマエ どっから きたんだ?
村の子どもじゃないよな。

ヤンチャム
……なに だまってんだよ……?

チョボマキ
だまってちゃ わかんねえぞー。

(……どうしよう……。)

(なんか 話を聞いちゃったし……)

(かわりに 自分が さがしにいっても
いいのかも……。)

(うん。やっぱり心配だよね。)

(よし!)

ヤンチャム
えっ!? オマエが かわりに
いってくるだって!?

チョボマキ
いいのか? 一応ここ すごく
おっかないんだぞ?

ヤンチャム
ま…まあ……どーしても いきたいって
いうなら 止めないけどよ。

ヤンチャム
どうなっても 知らないからな。

シキジカ
本当に いいの?

シキジカ
ヌメラは 森のどのあたりに
向かったの?

ヤンチャム
そんなに ふかくまでは いかないかな……

ヤンチャム
しばらく進んだところに 大きな紙が
すててあるんだけどよ……

シキジカ
大きな紙……?

チョボマキ
前に ヤンチャムとここへ
探検にきた時に……

チョボマキ
シート代わりにするつもりで
持ってきたんだ。

チョボマキ
そしたら こわいポケモンが わんさか
出てくるから ちょービックリでさあ……

チョボマキ
あん時の ヤンチャムの
ビビった顔ったらもう!

チョボマキ
そりゃあ 今思い出しても
ウケるしか……

チョボマキ
アーーーーーーーッ!!

シキジカ
とにかく 大きな紙は ヤンチャムたちが
わすれていったものなのね?

シキジカ
そしてそれを ヌメラが とりにいったと。

ヤンチャム
ああ。大きな紙を見つけたら そこに
自分の名前を書いて 持ち帰ってこい。

ヤンチャム
それができたら オマエの根性も みとめて
やるよって いってやったんだ。

シキジカ
ゴメンね。だいたいは わかったと
思うけど たのまれてもらえる?

シキジカ
気をつけてねーーー!!

こわそうな森


(だいぶ奥まで きたけど……)

(……あっ! あそこに!!)

???
うううっ……こわいよお……
ブルブル……。

(これが ヤンチャムたちが いっていた
大きな紙……?)

(なにか書いてある……
足形の文字……?)

(字が びみょうに ヘニョヘニョしてて
読みにくいけど……)

(不思議と なんとなく読める……。)

(ヌメラ……って書いてある……。)

(そっか。あそこにいるのが
ヌメラで……)

(ヌメラは ここまできて 名前を
書くところまでは できたんだ。)

(勇気を ふりしぼって。)

ヌメラに近づく

ヌメラ
ぎゃーーーーーーっ!!!

ヌメラ
……えっ?

ヌメラ
ボ…ボクを助けにきてくれたの……?

ヌメラ
……ううっ……ううううっ……。

ヌメラ
うえええ~ん! こわかったよお~~!!


ヤンチャム
か…帰ってきたのか……!?

チョボマキ
紙! とってきたんだ!

ヤンチャム
名前も書いたのか……?

ヤンチャム
……ぷっ。

ヤンチャム
なんだ? この文字?
ヘニョヘニョじゃないか!?

ヌメラ
ヘニョヘニョって いうな~!

チョボマキ
笑える。きっと こわくて ふるえながら
書いたんだな。

ヤンチャム
おもしれえ。これ みんなにも
見せようぜ!

ヤンチャム
じゃあな! ハッハハハッハーーー!!

シキジカ
ちょっと! 2匹ともー!

シキジカ
まったく……。

シキジカ
ヌメラも ヌメラよ。

シキジカ
無事だから よかったけど もし
なにかあったら どうするの?

ヌメラ
……ごめんなさい……。

ヌメラ
ボク 根性があるところを
見せたかったんだ……。

シキジカ
あの2匹は いつも無茶なことを いって
くるんだから もう聞いちゃダメよ?

シキジカ
まあでも……今回 すごく
がんばったんだね。ヌメラ。

ヌメラ
シキジカ……!!

シキジカ
森の奥まで いけたし……
名前も書けたしね。

シキジカ
ヘニョヘニョだったけど。

ヌメラ
ヘニョヘニョって いうな~!

シキジカ
それと……

シキジカ
ヌメラが無事なのも キミのおかげよ。

シキジカ
本当に ありがとう。……えーっと……

シキジカ
あれ? そういえば まだ名前
聞いてなかったっけ……?


コノハナ
ど…どうして~~~~~~っ!?

コノハナ
家の外に出るなって いったのに~!?

コノハナ
オラが帰ってくるまで うちン中で
待ってろって いったのに~!?

(………………。)

コノハナ
次はちゃんと いいつけ守ってくれだど。

コノハナ
……まあ……でも……

コノハナ
外の世界が見たくなる気持ちは
わからんでもないだど。

コノハナ
はじめてきたところだしな。

コノハナ
冒険したい気持ちを持つことは
ええことだど。

コノハナ
おとなはダメダメいうが 冒険しないと
わからねえこともある。

コノハナ
オラ そこんとこは わりと
おおらかだど。

コノハナ
なんで この村でも冒険したいところが
あったら どんどん いってみるんだど。

(コノハナ……!)

コノハナ
さあ 明日から さっそく学校だど。

コノハナ
今日は早く休んで 明日に そなえるだど。

次の朝……

コノハナ
ちっと早めに 学校に いくだど。

コノハナ
まずは先生に オメーを しょうかい
しねえと なんねえからな。

コノハナ
なんで 今日はオラと いっしょだけど
明日からは 1匹で学校に通うんだど。

コノハナ
じゃあ いくだど。

パートナーが♀口調 Edit

コノハナ
ついただど。

コノハナ
ここが オラのうちだ。


コノハナ
こっちだど。

コノハナ
ここだ。

コノハナ
とりあえず ここで ねとまりはできる。
ちょっとせまいが ガマンしてくれ。

コノハナ
それで……これからのことだけどよ……

コノハナ
どうする……?

(………………。)

コノハナ
オーベムたちが なんで おそって
きたのか気になるけどよ……

コノハナ
でも考えても わかんねえし……。

コノハナ
まあ記憶がもどれば わかってくることも
あるかもしれねえし……

コノハナ
とりあえずは ここで。
ええな?

コノハナ
オーベムたちのことは 村のみんなに
いうと こわがるから だまっておこうな。

コノハナ
あとは……

コノハナ
そうだ。見たところ 学校にいく年ごろだし
学校に いかねえとな。

コノハナ
いかないで フラフラしてると
目立つし……

コノハナ
とりあえず学校には いくことに
しような。

コノハナ
さっそく 手続きに いってくるだど。

コノハナ
なんで オラが帰ってくるまでは
うちン中で待ってるんだど。

コノハナ
ええか。まちがっても 外に
出るんじゃないだど。


(……! 今 なにか音が……!?)

窓に影が映る

(わわっ!!)

ザザッ!

ザザザザザザザザザザッ!

(外に……なにかいる……!)

(まさか オーベムたち……?)

(ふりきったと思ったのに……!)

家から出る

(……だれも いないかな……。)

(でも ゆだんしちゃダメだ……
気をつけないと……。)

家の裏からパートナーが近づいてくる

???
やっぱり!!

(わっ!!)

???
やっぱり見まちがいじゃなかった!

???
さっき コノハナさんと いっしょに
入っていくところを見てたんだ。

???
キミ どこからきたの? 名前は?

(え~と……なま……)

パートナー
ワタシ パートナー

パートナー
おじいと いっしょに すぐ近くに
住んでるの。

パートナー
ほらあそこ!

パートナー
それで キミは どこから きたの?

パートナー
もしかして コノハナさんの
子どもだったり?

パートナー
そんな ワケないか! ハハハハハハハッ!

パートナー
そうだ! ここ 初めてなんだよね?

パートナー
村を案内してあげるよ! いこっ!

(わわわわわっ!!)


パートナー
そういえば 名前は?

パートナー
あれ? 聞いたっけ?
まだ聞いてないよね?


パートナー
そっかー。リーダーって
いうんだー。

パートナー
こっちから聞いといて なかなか
いうヒマなくて ゴメンね。

パートナー
……えっ? うるさい?

パートナー
今 心の中で いったでしょ?
うるさいって。

パートナー
そんなこと いわないでよ もー。
ミルタンクも モー。

パートナー
あっ! 今 ジョウダンいったの
わかった!? わかった!?

パートナー
アハハハハハハッ!!

パートナー
……というワケで……

パートナー
ジャジャ~~~~~~ン!!

パートナー
ここが おだやか村の ど真ん中……
ポケモン広場よ!

パートナー
少ないけど 施設もあるのよ。

パートナー
あそこにあるのは あずかりボックス。

パートナー
道具や おかねを あずけたり
取り出したりできるの。

パートナー
ここは カクレオンのお店。

パートナー
いろんな道具が 買えるのよ。

パートナー
まあ いきなり たくさんいわれても
わかんないから……

パートナー
ひとつひとつ しょうかいするね。
まず……

???
おい! パートナー!!

パートナー
あっ! ハスブレロ!!

ハスブレロ
やっと見つけた!

ハスブレロ
オマエ オレんとこの ハス池を
あらしただろ!?

パートナー
そ…それは ちがうよ!

パートナー
たんに冒険がしたかっただけで!

逃げようとする

???
パートナー! トーマーレー!

パートナー
わっ! ヒポポタス

ヒポポタス
チョット! コノ間 ワターシノ ナワバリノ
洞窟ニ ハイッタデショ?

ヒポポタス
ツイデニ ソノ奥ニアル オ宝
トッタデショ!?

パートナー
い…いや! あれは ダンジョンを
探検した そのついでに……!

パートナー
ホラ ダンジョンのクリアに 戦利品は
必要なものだし……。

逃げようとする

???
コラッ! パートナー!!

パートナー
お! おじい!!

ハスブレロ
おお! アバゴーラじいさん!!

アバゴーラ
こんなところに おったか!

アバゴーラ
家の仕事は どうした?
いつもサボって フラフラしよって!

パートナー
おじい! これには ちょっとした
ワケが……

アバゴーラ
しかも うちの農園のオレンのみを
つまみ食いしたじゃろ?

パートナー
してない!

アバゴーラ
した!

パートナー
してない!

アバゴーラ
正直にいえ!

パートナー
した! うまかった!

(………………。)

むらのみなさん
おい! あそこに パートナーが!

むらのみなさん
みんな! パートナーがいたぞー!!

パートナー
わわわわわっ!!

逃げだす

アバゴーラ
にがすな! 追うぞ!!

むらのみなさん
おおーっ!!

ドドドドドドドドドッ!!!

(………………。)

(……なんだったんだ 一体……。)

(とり残されちゃったけど……
せっかく ここまで きたんだし……)

(とりあえず 広場を
見てまわるか……。)


あれ? なんだろう……?)

???
ええ~!? ヌメラが!?

???
ああ どうしてもいくって。

???
ちょっと! チョボマキ!

???
どうせ ヤンチャムと いっしょに
たきつけたんでしょ?

チョボマキ
そ…それは いいがかりだよう。
シキジカちゃん。

チョボマキ
アイツ 自分からいくって
いいだしたんだぜ?

シキジカ
よくいう。いつも ヌメラのこと
からかっているくせに。

シキジカ
いきすぎたあとじゃ おそいのよ?

チョボマキ
わ…わかったよう。
そんなに おこるなよう。

シキジカ
案内して。今すぐ。

(あの2匹……村の子たちかな?)

(なんだろう……ちょっと
気になるな……。)

シキジカ達の後を追う

シキジカ
ええ~っ!? まだ 帰ってこないの!?

???
ああ そうだ。

???
時間も ずいぶん たってるし。
ホント いわんこっちゃねえぜ。

チョボマキ
やっぱりな。

チョボマキ
弱いんだから おとなしくしてりゃ
いいんだよなあ。

???
いうことだけは いっちょまえだからな。

???
『根性を見せてやる!』なんて
カッコつけるから こんなことになるんだ。

チョボマキ
今ごろ 森の中で動けず なみだ
ためてるンじゃないの?

???
ハハハハハハハハハーーーーッ!!

シキジカ
ヒドイよ! ヤンチャム!

シキジカ
ヌメラは ワタシたちより おさないのに!

ヤンチャム
エラそうなこというから こうなるんだ。

ヤンチャム
社会のきびしさも 少しは
教えてやらないとな。

シキジカ
なにかあったら どうするのよ?

シキジカ
ワタシ いってくる!

チョボマキ
ダメダメ! シキジカちゃんは
いっちゃダメだよ!

ヤンチャム
シキジカちゃんは なんたって オレたちの
アイドルなんだから!

ヤンチャム
キケンなところには いかせられないよ!

シキジカ
なんなのよ もう。

シキジカ
じゃあ ヤンチャムたちが いってきて!

ヤンチャム
オ…オレたちが……?

ヤンチャム
この こわそうな森に……?

ヤンチャム
……ヤダ。めんどくさい。

ヤンチャム
い…いっておくけど けっして こわくて
いきたくないワケじゃ ないからな!

ヤンチャム
そ…そこんとこ カンちがいするンじゃ
ないぞ! カンちがい! ダメだぞ!

チョボマキ
ん……? オマエは……?

チョボマキ
見たことないヤツだな。

ヤンチャム
オマエ どっから きたんだ?
村の子どもじゃないよな。

ヤンチャム
……なに だまってんだよ……?

チョボマキ
だまってちゃ わかんねえぞー。

(……どうしよう……。)

(なんか 話を聞いちゃったし……)

(かわりに 自分が さがしにいっても
いいのかも……。)

(うん。やっぱり心配だよね。)

(よし!)

ヤンチャム
えっ!? オマエが かわりに
いってくるだって!?

チョボマキ
いいのか? 一応ここ すごく
おっかないんだぞ?

ヤンチャム
ま…まあ……どーしても いきたいって
いうなら 止めないけどよ。

ヤンチャム
どうなっても 知らないからな。

シキジカ
本当に いいの?

シキジカ
ヌメラは 森のどのあたりに
向かったの?

ヤンチャム
そんなに ふかくまでは いかないかな……

ヤンチャム
しばらく進んだところに 大きな紙が
すててあるんだけどよ……

シキジカ
大きな紙……?

チョボマキ
前に ヤンチャムとここへ
探検にきた時に……

チョボマキ
シート代わりにするつもりで
持ってきたんだ。

チョボマキ
そしたら こわいポケモンが わんさか
出てくるから ちょービックリでさあ……

チョボマキ
あん時の ヤンチャムの
ビビった顔ったらもう!

チョボマキ
そりゃあ 今思い出しても
ウケるしか……

チョボマキ
アーーーーーーーッ!!

シキジカ
とにかく 大きな紙は ヤンチャムたちが
わすれていったものなのね?

シキジカ
そしてそれを ヌメラが とりにいったと。

ヤンチャム
ああ。大きな紙を見つけたら そこに
自分の名前を書いて 持ち帰ってこい。

ヤンチャム
それができたら オマエの根性も みとめて
やるよって いってやったんだ。

シキジカ
ゴメンね。だいたいは わかったと
思うけど たのまれてもらえる?

シキジカ
気をつけてねーーー!!

こわそうな森


(だいぶ奥まで きたけど……)

(……あっ! あそこに!!)

???
うううっ……こわいよお……
ブルブル……。

(これが ヤンチャムたちが いっていた
大きな紙……?)

(なにか書いてある……
足形の文字……?)

(字が びみょうに ヘニョヘニョしてて
読みにくいけど……)

(不思議と なんとなく読める……。)

(ヌメラ……って書いてある……。)

(そっか。あそこにいるのが
ヌメラで……)

(ヌメラは ここまできて 名前を
書くところまでは できたんだ。)

(勇気を ふりしぼって。)

ヌメラに近づく

ヌメラ
ぎゃーーーーーーっ!!!

ヌメラ
……えっ?

ヌメラ
ボ…ボクを助けにきてくれたの……?

ヌメラ
……ううっ……ううううっ……。

ヌメラ
うえええ~ん! こわかったよお~~!!


ヤンチャム
か…帰ってきたのか……!?

チョボマキ
紙! とってきたんだ!

ヤンチャム
名前も書いたのか……?

ヤンチャム
……ぷっ。

ヤンチャム
なんだ? この文字?
ヘニョヘニョじゃないか!?

ヌメラ
ヘニョヘニョって いうな~!

チョボマキ
笑える。きっと こわくて ふるえながら
書いたんだな。

ヤンチャム
おもしれえ。これ みんなにも
見せようぜ!

ヤンチャム
じゃあな! ハッハハハッハーーー!!

シキジカ
ちょっと! 2匹ともー!

シキジカ
まったく……。

シキジカ
ヌメラも ヌメラよ。

シキジカ
無事だから よかったけど もし
なにかあったら どうするの?

ヌメラ
……ごめんなさい……。

ヌメラ
ボク 根性があるところを
見せたかったんだ……。

シキジカ
あの2匹は いつも無茶なことを いって
くるんだから もう聞いちゃダメよ?

シキジカ
まあでも……今回 すごく
がんばったんだね。ヌメラ。

ヌメラ
シキジカ……!!

シキジカ
森の奥まで いけたし……
名前も書けたしね。

シキジカ
ヘニョヘニョだったけど。

ヌメラ
ヘニョヘニョって いうな~!

シキジカ
それと……

シキジカ
ヌメラが無事なのも キミのおかげよ。

シキジカ
本当に ありがとう。……えーっと……

シキジカ
あれ? そういえば まだ名前
聞いてなかったっけ……?


コノハナ
ど…どうして~~~~~~っ!?

コノハナ
家の外に出るなって いったのに~!?

コノハナ
オラが帰ってくるまで うちン中で
待ってろって いったのに~!?

(………………。)

コノハナ
次はちゃんと いいつけ守ってくれだど。

コノハナ
……まあ……でも……

コノハナ
外の世界が見たくなる気持ちは
わからんでもないだど。

コノハナ
はじめてきたところだしな。

コノハナ
冒険したい気持ちを持つことは
ええことだど。

コノハナ
おとなはダメダメいうが 冒険しないと
わからねえこともある。

コノハナ
オラ そこんとこは わりと
おおらかだど。

コノハナ
なんで この村でも冒険したいところが
あったら どんどん いってみるんだど。

(コノハナ……!)

コノハナ
さあ 明日から さっそく学校だど。

コノハナ
今日は早く休んで 明日に そなえるだど。

次の朝……

コノハナ
ちっと早めに 学校に いくだど。

コノハナ
まずは先生に オメーを しょうかい
しねえと なんねえからな。

コノハナ
なんで 今日はオラと いっしょだけど
明日からは 1匹で学校に通うんだど。

コノハナ
じゃあ いくだど。



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