Chapter-5
きずなのスカーフ
パートナーが♂口調 
パートナーが♀口調
次の朝……
コノハナ
あっ！ リーダー！ 起きたか？
コノハナ
おはようだど！
（コノハナ！ 帰ってきてたんだ。）
コノハナ
1匹にしといて すまねえな。
オラが いなくて さみしかったろ？
コノハナ
……えっ？
コノハナ
ぜんぜん さみしくなかった……？
コノハナ
そ…それはそれで ちょっと悲しい
気もするが……まあ いいか……。
コノハナ
それで……記憶は？
コノハナ
オーベムたちは あらわれたか？
コノハナ
……そうか。思い出せないのはナンだか
危険な感じでないのは なによりだ。
コノハナ
あと 学校生活は どうだ？
問題なくやってるか？
コノハナ
なんか いじめられたりしてたら オラ
イヤなんだが……。
コノハナ
そうか！ そこだけ ちょっと心配したが
なんもなくて よかっただど！
コノハナ
じゃ ひきつづき様子を見つつ
ここで 生活するってことで。
コノハナ
とりあえずは 元気に学校いくんだど。
（今日も むかえには
こなかったか……。）
（あれ？ なんか村の出口に……。）
（なんだろう……。）
アバゴーラ
どうじゃ？ どんな感じじゃった？
ハスブレロ
ちょっと 見てきたが ヤベエ。
かなり気が立っているな。あれは。
ヒポポタス
デモ ソレデ オイシイ ハチミツガ
トレルナラ イイヨネ。
スボミー
おいしい ハチミツ？
ハスブレロ
ああ そうだ。
ハスブレロ
カンロ草原で はじま……
……って ん？ オマエ……
アバゴーラ
ロゼリアんとこの スボミーじゃな。
アバゴーラ
ハチミツ作りの時期が きたのじゃよ。
アバゴーラ
スピアーや ミツハニーといった
ポケモンが いっせいに ハチミツを作る。
ヒポポタス
ソコデ トレタ ハチミツハ モウ最高！
ヒポポタス
食ベタラ 思ワズ 砂ブシューダヨ！！
スボミー
スナ……ブシュー……？
アバゴーラ
栄養もあるしの。
アバゴーラ
ただ ハチミツ作りの間は みな
気が立っているから とても危険なんじゃ。
アバゴーラ
とくに おぬしのような おさなごはの。
アバゴーラ
なので 今の時期 カンロ草原には
決して いってはならぬぞ。
（ハチミツ作りか……。）
（どんな ハチミツがとれるんだろ。
ちょっと食べてみたいな……。）
カラコロ カラコロロン♪
ヌメラ
せんせー！ おはよー！
ヒヤッキー
おはようございます！ ヌメラ！
シキジカ
あっ！ 校長先生！ おはようございます！
ヒヤッキー
おはようございます！ シキジカ！
チョボマキ
おはよう！ 今日の おむかえは
校長先生なんだ！
チョボマキ
ねえ 校長先生は どうして いつも
ニヤニヤしているの？
ヒヤッキー
ニヤニヤではありません。笑顔です。
ヒヤッキー
みなさんが 元気に登校してくるのが
うれしいのです。
ヒヤッキー
さあさあ そんなことより もうすぐ
じゅぎょうが はじまりますよ。
ヒヤッキー
席についてくださいね。
みんな
はーい。
ヤンチャム
なあ！ リーダー！
ヤンチャム
そういえば オマエ どこからきたんだよ？
ヤンチャム
まだ聞いてなかったよな。
ヤンチャム
だれか知ってるか？ リーダーが
どこから きたのか。
チョボマキ
オレも 知らないし。
シキジカ
そういえば ワタシも知らない……。
パートナー
そういえば そうよね！
パートナー
ホント 聞いてなかったね！
ワタ……
ヤンチャム
わかったわかった。オマエは
はじまると長いから だまってろ。
ヤンチャム
……で なんだよ。
だれも知らないみたいだな。
ヤンチャム
ホント どこからきたんだ？
ヤンチャム
あっ！ も…もしかして あれか！？
ヤンチャム
ワイワイタウンから きたのか！？
ヌメラ
ええ～っ！？ ワイワイタウン～！？
チョボマキ
じゃ リーダーって もしかして
都会っ子ってこと～！？
ニャスパー
でも コノハナさんは なまっているし
ワタシは ちがうと思う。
（どうしよう……。）
（ホントのことを いったら かなり
おどろくと思うけど……。）
（信じてくれるかな……。）
ヤンチャム
……で 本当のところ どうなんだ？
ヤンチャム
どっから きたんだよ？
（かくしても仕方ないし……）
（ここは 正直にいってみよう。）
みんな
えええええ～～～～～～～～～～っ！！？
パートナー
リーダーは……
チョボマキ
人間の世界からきた……
人間だってぇ～～～～～～～～～っ！！？
ニャスパー
でも 今の リーダーのすがたは
どこからどうみても ポケモンよ？
シキジカ
ええっ！？
シキジカ
なぜか ポケモンになってしまって
記憶もないっていうの！？
みんな
えええええ～～～～～～～～～～っ！！？
（やっぱり おどろいたか……。）
ヤンチャム
ははっ……ははははははははっ！！
ヤンチャム
リーダー！
オマエ うそつきだな！
（えっ……？）
ヤンチャム
オマエが人間だなんて話 いったい
だれが信じるんだよ？
ヤンチャム
だいたい人間なんて 見たこともないし
おとぎ話でしか出てこないじゃないか。
シキジカ
たしかに信じろっていわれても
むずかしいかな……。
（シキジカ……。）
ニャスパー
ワタシも信じられないけど
よくわからない。
ニャスパー
そんな うそをつくことに なんの意味が
あるの？
（ニャスパー……。）
ヤンチャム
うそつくにしても もうちょい
うまくやってくれよ！
ヤンチャム
はははははーーーーーーーーーっ！！
カモネギ
コラ！ なに さわいでるんだ！？
ヤンチャム
せんせー！ リーダーのヤツ
うそをつくんです！
カモネギ
うそを……？
ヤンチャム
はい！ まるで ありえないような
話をするんです！
ヒヤッキー
ありえないような話ということは……
ヒヤッキー
もしかしたら ありえるかもしれない……ということですよね♪
シキジカ
校長先生……！
ヒヤッキー
リーダーがいったことは うそかも
しれない……
ヒヤッキー
でも 本当にそうでしょうか……？
ヒヤッキー
もしかすると……うそじゃないのかも
しれませんよ？
ヒヤッキー
ありえないことが本当にあった……
ヒヤッキー
そんなことが まれにあるから
世の中 おもしろいんじゃないでしょうか？
ヤンチャム
………………。
ヒヤッキー
……って リーダーが どんな話を
したのか ワタシ知りませんが。ハハハハ！
ヒヤッキー
とにかく みなさんには いろいろな
ところから ものごとを見て……
ヒヤッキー
楽しく学んでほしいと思っています。
ヒヤッキー
ちょっと角度を変えるだけで ちがった
ものが 見えるのかもしれませんよ♪
ヒヤッキー
それでは じゅぎょうを はじめましょう。
ヒヤッキー
カモネギ先生。あとは よろしく
お願いします。
カモネギ
は…はい！
カモネギ
それじゃ じゅぎょうを はじめるぞ。
カモネギ
今日は『グラエナと3匹のバネブー』の
話からだったな。
カモネギ
え～ むかしむかし あるところに
おじいさんと おばあさんが……
ニャスパー
先生。そこ ちがいます。
カモネギ
あっ！ ゴメン！ え～と……
そして じゅぎょうも3時間目……
ミルホッグ
みなさん。今回も 課外じゅぎょうです。
ミルホッグ
そして 今日は スペシャルゲスト！
ミルホッグ
保安官のみなさんに きていただきました！
ヌメラ
わあっ！ 保安官だあ！
チョボマキ
か…かっけえ～～～～～～っ！！
ジバコイル
今日ハ『レンケイ』ノ実演ニ
マイリマシタ。
ヤンチャム
れんけい……？
ミルホッグ
そーです！ レンケイです！
ミルホッグ
チームのみんなで れんけいして
わざを くりだします！
ミルホッグ
すごく大切なことなので みんな
よーく おぼえておくよーーーーーに！
ミルホッグ
それでは 森の奥で実習しましょう。
ミルホッグ
さあ これから 保安官のみなさんに
レンケイの実演をしていただきます！
ミルホッグ
生徒たちは よーく 見ておくよーーに！
ジバコイル
本当ニ ダイジョウブデスカ？
コイル
キゼツシチャウカモ シレナイヨ？
ビビビ……！
ミルホッグ
だいじょうぶ！ ワタークシを だれだと
思ってるんです！
ミルホッグ
えんりょなく きなさい！ さあ！！
レアコイル
デハ イキマス！
ジバコイル
クラエ！ ワレワレノ……
ジバコイル
『トリプル ビリビリ アタック』！！
（名前 今ツケテミタ！）
ミルホッグ
ぎゃぁあああああああー！！
ヌメラ
きょ…教頭先生！！
ミルホッグ
なんの……これしき……だ…だいじょうぶ……です……。
ミルホッグ
それより ちゃんと見ましたか……？
今のが レンケイです……。
ミルホッグ
味方が いっしゅんのうちに移動し……
一気に かこんで攻撃する……
ミルホッグ
しかも わざの あいしょうが悪くても
関係なしに敵にダメージを あたえる……
ミルホッグ
それが レンケイなのです……。
ミルホッグ
ただ これ おなかが たくさん へるので
使いすぎには 注意が ひつようですが……。
ミルホッグ
さあ みなさんも レンケイを
やってみるのです……。
ミルホッグ
このワタークシに向かって！ さあ！
レンケイチュートリアル
ミルホッグ
ぎゃあああああああああ！
ミルホッグ
ぐぐ…やりますね……
ですが まだまだです！
ミルホッグ
さあ もういちど！ レンケイを出すのです！
ミルホッグ
ワタークシに向かって！
さあ！ さあ！ さあ！
ミルホッグ
みんな ひととおり練習できましたね……。
ミルホッグ
これで レンケイの やり方が
わかったと思います……。
ミルホッグ
冒険にいった時 うまく使いこなして
ください……。
ミルホッグ
ぐふっ……！
せいとたち
きょ…教頭センセーーーー！！
ミルホッグ
だ…だいじょうぶです……。
ミルホッグ
でも 子どもの攻撃だと思って
ナメてましたね……。
ミルホッグ
みなさんの攻撃 とてもよかったです……
少し悪意も感じられましたが……。
ミルホッグ
ではこれにて じゅぎょうを
終わります……。
カラコロ カラコロロン♪
みんな
せんせー！ さようなら！
タブンネ
さようなら～！
タブンネ
みんな 気をつけて帰ってね～！
次の朝……
カラコロ カラコロロン♪
タブンネ
みなさん 保健体育の時間ですよ～。
タブンネ
今日は『進化』について勉強しましょう。
チョボマキ
ええ～！？ 進化って あの！？
パートナー
もしかして エッチな！？
ヤンチャム
なにいってるんだ オマエ？
ぜんぜん ちがうぞ。
ヤンチャム
進化ってのはな デカくなるんだ。
オレは デカくなりたいぜ。
タブンネ
うーん……だいたい あってますかね。
ヌメラ
へえ～っ！？ 大きくなるんだ！？
タブンネ
でも 体が大きくなるだけじゃなく
ほかにも いろいろな変化が起こります。
タブンネ
なんとなく おとなに近づいていく……
という意味では……
タブンネ
パートナーが考えていたことも
あながち まちがってないかもしれません。
シキジカ
……（どんなこと考えてたの
かしら……。）
タブンネ
そして 進化には さら……
？？？
す…すみませんっ！！
？？？
あのっ！ こちらに スボミーは
こなかったでしょうか！？
タブンネ
えっ？ スボミーちゃんが？
タブンネ
いいえ。こちらには きてませんよ？
タブンネ
スボミーちゃんが学校に上がるのは
たしか来年からですよね？
？？？
ああっ どうしよう……？
？？？
近所を さがしたけど どこにも
いなくて……。
ヌメラ
ええっ！ スボミー いなく
なっちゃったの！？
？？？
やっぱり保安官に そうだんした方が
いいのかしら……。
？？？
じゅぎょう中 ごめんなさい。
タブンネ
わっ！ だいじょうぶ！？ ロゼリア！
ロゼリア
ええ……最近 めまいがして……。
タブンネ
とりあえず 保健室で休みましょう。
ヌメラ
スボミー どうしたんだろ……？
シキジカ
心配ね……。
ヤンチャム
まあ シキジカちゃんは やさしいから
そう いうけどさぁ……
ヤンチャム
ちょっと いなくなっただけなのに
おおげさすぎだと思うぜ？
シキジカ
なに いってるの！？
シキジカ
あんな ちっちゃい子が いなくなったら
心配するのは当たり前でしょ！？
（たしかに 親なら心配になるとは
思うけど……。）
（……あれ？ スボミー……？）
（スボミーって たしかあの時の……！）
アバゴーラ
ロゼリアんとこの スボミーじゃな。
アバゴーラ
ハチミツ作りの時期が きたのじゃよ。
アバゴーラ
スピアーや ミツハニーといった
ポケモンが いっせいに ハチミツを作る。
アバゴーラ
ただ ハチミツ作りの間は みな
気が立っているから とても危険なんじゃ。
アバゴーラ
とくに おぬしのような おさなごはの。
アバゴーラ
なので 今の時期 カンロ草原には
決して いってはならぬぞ。
（もしかして スボミーは……！）
（ハチミツが ほしくて……！）
ヌメラ
ん？ リーダー どうしたの？
シキジカ
ええ～！？ スボミーが どこにいったか
わかるかもしれないって！？
チョボマキ
カンロ草原に いったの！？
ハチミツを とりに！？
ニャスパー
カンロ草原は たしか ハチミツ作りが
はじまっているはず。
ニャスパー
いったとしたら かなり危険ね。
ヤンチャム
ハハハハハハハ
ヤンチャム
みんな なに 信じてんだよ！
ヤンチャム
コイツ 昨日 うそついたばかりじゃ
ないか！
（……えっ？）
ヤンチャム
あんな ごうかいな うそをついた
ばかりなのに すげーよな！
ヤンチャム
また うそがつけるなんてよう！
チョボマキ
そっか。あぶねえ。
チョボマキ
あやうく だまされるとこだった。
（…………。）
（信じてもらえないか……。）
（でも……このままじゃ……！）
学校を抜け出す
パートナー
リーダー！！
ヤンチャム
おい！ コラ！
チョボマキ
じゅぎょう中 ぬけだしちゃ
いけないんだぞ！？
ヤンチャム
あーあ しーらないっと。
ヤンチャム
まあ あとで先生に おこられるのは
アイツだしな。
ヤンチャム
ハハハハハ。
パートナー
リーダー……。
（やっぱり放っておけない。）
（だれも信じてくれないなら 自分だけで
いくしかない！）
（いこう！ カンロ草原へ！）
パートナー
おーい！ リーダーー！
パートナー
はあはあ……はあはあ……。
パートナー
ワタシも学校……ぬけてきた！
（ええっ……？）
パートナー
ワタシも いっしょに いく！
パートナー
リーダーのことを信じるよ！
（パートナー！）
パートナー
いこっ！ カンロ草原へ！
パートナー
スボミーを さがそっ！
パートナー
よし！ いこっ！
パートナー
あと……
パートナー
チャンスがあったら レンケイも
試してみようよ。
パートナー
昨日 学校で教わったばかりだし
せっかくだから やってみよっ。
カンロ草原へ
スボミー
ううっ……まよっちゃったかな……。
スボミー
どこにいけば ハチミツ
もらえるんだろ……。
？？？
スピスピィィィィィーーッ！！
スピアー
どこにいくスピスピ！ ああいそがしい！
スボミー
あの……ワタシ……ハチミツを
もらいに……。
スピアー
なにっ！？ それは もしかして
ハチミツドロボー！1？ ああいそがしい！
スボミー
ち…ちが……
スピアー
ミツハニーの みなさん！
ああいそがしい！
ミツハニー
ハニハニーーーー！！
ミツハニー
なにハニー？ きゃーせわしい！
スピアー
ハチミツドロボーだスピスピ！
ああいそがしい！
スボミー
ううっ……こわいよぅ……。
ミツハニー
ええっ！？ この子が！？
ミツハニー
見た感じ かなり おさなそうよ！？
きゃーせわしい！
スピアー
見た目に だまされちゃいけねえ
スピスピ！
スピアー
ミツハニーたちだって 意外と
きょうぼうだろうかスピスピ！
ミツハニー
きゃーなにそれ！ きゃーせわしい！
パートナー
まてーーーーーーーーーーーっ！！
パートナー
スボミー！ 無事だったのね！
よかった！
パートナー
ワタシたち 助けにきたの！
スピアー
やっぱり 仲間がいたなスピスピ！
ああいそがしい！
ミツハニー
じゃ ハチミツドロボーというのは
ホントハニー？ きゃーせわしい！
パートナー
ええっ～！？ ちがうよ！
ワタシた……
スピアー
いいわけ無用だスピスピ！
ああいそがしい！
スピアー
ただでさえ いそがしいのに！
ああいそがしい！
パートナー
スボミー！ さがってて！！
スピアー
ドロボーを おいはらうスピスピ！
ああいそがしい！
スピアー
うぐぐ……ああ…いそが……。
ミツハニー
うううっ……きゃ…せわし……。
スピアー
見た感じ 弱そうなのに……
かなりやるな……。
スピアー
でもこれ はやく……かたづけないと……
スピアー
ハチミツ作りに いけないスピスピ！
スピアー
ここは 総攻撃でいくスピスピ！
スピアー
いそがしいったら いそがしいったら
いそがしいー！！
まちなさいッ！！
パートナー
うわああぁぁっ！！
スピアー
ビークインさまっ！！
ミツハニー
ママー！！
ビークイン
スピアー！ ミツハニー！
落ち着きなさい。
ビークイン
相手は まだ子供ではないですか。
ビークイン
それに このものたちは ドロボーでは
ありません。
ビークイン
いきなり無礼な ふるまいを
どうか おゆるしください。
ビークイン
ただ 今は ハチミツの
しゅうかく時期です。
ビークイン
この時期は とても いそがしく
みんな 気が立っています。
ビークイン
あなたたちは 危険なところに
立ち入ってしまった……
ビークイン
そこのところも ごりかいください。
パートナー
あのう……あなたは……？
ビークイン
ワタシは ビークイン。
ビークイン
ここ カンロ草原の女王です。
パートナー
ふえ～っ！？ じょおうさま～！？
ビークイン
フフッ 女王といっても ハチミツ作りの
みんなの作業を まとめているだけです。
スボミー
あの……じょおうさま……。
スボミー
ワタシ……ハチミツが ほしくて
ここにきたんです……。
スピアー
やっぱり ドロボー！？
スボミー
ひ…ひえっ！
ビークイン
まちなさい。さっきも その流れで
こうなったのでしょう？
ビークイン
くりかえして どうするのです。
スボミー
おこづかいも ちゃんと持ってきました。
スボミー
最近 うちの おかあさん 顔色も悪いし
元気もなくて……
スボミー
そしたら ここのハチミツが すごく
えいようがあるって聞いたんで……
スボミー
おかあさんが食べれば きっと元気になって
なってくれるかなと思って……
ビークイン
そうだったんですか……。
ビークイン
とても思いやりのある いい子ですね。
ビークイン
おかねは いりません。
これは ワタシからのプレゼントです。
スボミー
ホ…ホント！？
スボミー
あ…ありがとう……！
ビークイン
さあ はやくお帰りなさい。
ビークイン
おかあさん 元気になるといいですね。
ロゼリア
よかった……心配したのよ……？
ロゼリア
無事で……ホント よかった……。
スボミー
おかあさん ハチミツ もらってきたよ。
スボミー
いっぱい食べて 元気出してね。
ロゼリア
ありがとう。でも おねがいだから
これからは……
ロゼリア
あぶないところには いかないでね。
スボミー
うん。
ロゼリア
このたびは 本当に ありがとう
ございました。
ロゼリア
おかげさまで この子も無事に……。
ロゼリア
これは ほんのお礼です。
ロゼリア
この子を心配してくれて 助けてくれて
かんしゃの気持ちで いっぱいです。
ロゼリア
でも……2匹とも まだ子どもなんだし
無茶なことはしないでくださいね。
ロゼリア
それでは 失礼します。
スボミー
ありがとう！ リーダーさーん！
パートナーさーん！
パートナー
ホント無事で よかったね。
パートナー
学校サボることに なっちゃったけど
いってよかったよ。
パートナー
すっかり暗くなっちゃったね。
（あまり おそくなると コノハナに
おこられそうだし……）
（帰るとするか。）
パートナー
ねえ リーダー。
パートナー
リーダーが 人間だったって話……
パートナー
ワタシは 信じるよ。
（えっ？）
パートナー
……うん。よし。
パートナー
決めた。
パートナー
リーダー！
パートナー
ワタシの ともだちに……なれ！
（えっ！？ いきなり！）
（しかも どうして 命令口調！？）
パートナー
今 リーダーは みんなから
まったく 信用されてない！
（ズバッというね……。）
パートナー
でも……それは ワタシも同じ……。
パートナー
だから リーダーの気持ちは
よくわかる。
パートナー
だれからも信じてもらえないのって
さみしいし……
パートナー
ぎゃくに 信じられる相手が
1匹でもいれば すごく うれしいよね。
パートナー
だったら信用されてないもの同士……
パートナー
まずは ワタシたちが ともだちになれば
いいんじゃない？
パートナー
そうよ！ そしてそこから 1匹ずつ
仲間を ふやしていけばいいのよ！
パートナー
あの星のように！
パートナー
いつかは たくさんの ともだちや
仲間ができれば！
パートナー
そうよ！ それがいい！
パートナー
というワケで リーダー。
ワタシと ともだちになれ。
パートナー
ううん。なって。
パートナー
ちがうよね……ごめんなさい。
ともだちに なってください。
パートナー
どうか おねがいします！
ともだちに なってください！
パートナー
ホント！？
パートナー
本当に ともだちになってくれるの！？
パートナー
やったぁ！ ありがとう！
リーダー！
パートナー
今日からワタシたちは ともだちだよ！！
パートナー
そうだ！
パートナー
えっと たしか……あった！
パートナー
リーダー！ これ あげるよ！
（これは……スカーフ……？）
パートナー
うん。ふたつあるんだ。
パートナー
ワタシ 赤ちゃんの時に おじいに
ひろわれたんだけど……
パートナー
なんか その時から このスカーフが
ワタシの体に まかれてあったらしいの。
パートナー
なので大切にしてたんだけど……
パートナー
ともだちになってくれた お礼！
リーダーに ひとつ あげるよ！
パートナー
というワケで さっそく つけてみよっ！
（ええ～っ！？）
パートナー
おっ…？ おお……？
パートナー
リーダー！ にあってるよ！
いいじゃん！ いいじゃ～ん！
パートナー
おたがい かなり イイ感じね！
エヘヘへ！
パートナー
とにかく このスカーフが
ワタシたちの……
パートナー
ワタシと リーダーの……
パートナー
友情の……あかしだぁぁぁーーーーっ！！
パートナー
すっかり おそくなっちゃったね！
帰ろっ！ リーダー！
パートナー
あっ！ 明日からまた おむかえに
いくから よろしくね！
パートナー
また明日 がんばろうね！
ジュゴン
だから 本当になんだってば！
ランターン
信じられないな。
ランターン
北洋の あらくれものとまで
よばれたヤツだぞ！？
ランターン
いっていること自体 よくわかりませんし。
ジュゴン
だから こうして暗い海の中……
ジュゴン
あんたたちに きてもらってるんじゃ
ないか。
ジュゴン
おっ！！ そろそろだぞ！
ランターン
なんなの……これは……？
ランターン
岩……なのかな……？
ランターン
よく わからないな。
ランターン
まだ 暗いし もう少し はなれて……
ランターン
わかった。集中して照らしてみよう。
ランターン
……なっ！！？
ランターン
なんだっ！？ これはっ！？
ランターン
あの……ホエルオーが……
ランターン
ホエルオーが……
ランターン
石になっているっ！！
次の朝……
？？？
ふう～ だいぶ まよいましたね。
？？？
方向オンチなのも こまりものですね。
まったくホントに。
？？？
でも……
？？？
あそこが おだやか村に
ちがいないでしょう。
？？？
やっと着いたようですね。やれやれ。
？？？
さてと。なにが でてくるのやら。
おそろしいですね。
？？？
まっ いってみますか。
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